誕生日と小さな訪問者
今日は珍しく少し長め!いよいよ学園編へ入れるのか…?
あれから5年、特に大きな変化は無かった。
魔物が活発になったとかそういう事も無く、魔法に変化があったかと言えば…
雪華「全然変わってないんだよなぁ。」
クリスタル「魔法ですか?そういうものなんですよ。」
クリスタル「むしろお嬢様の魔力のコントロールは卓越し過ぎています。」
クリスタル「さらに言うのであれば、お嬢様は今日で10歳…少々大袈裟な表現ですが今まで増やした魔力を好きに使えるのです。」
雪華「飛び級の話は?」
クリスタル「ご安心を、話は通してあります。」
クリスタル「それよりも、今日はお嬢様の誕生日なのですから、まずはそちらを思う存分楽しみましょう。」
雪華「それもそうか、どうせ皆揃ってるんだろ?」
クリスタル「はい、ですが蛇風様は忙しく、朝しか居れない為今日は朝食時にプレゼントを渡すことになりました。」
・・・・・・・・・・食事処・・・・・・・・・・
全員『雪華、誕生日おめでとう!!』
雪華「ハイハイありがとう。相変わらず大袈裟に祝うねぇ。」
ティアラ「大袈裟なんて事ないよ!だって雪華、飛び級試験に受かったら寮に入るんだろ!?」
ティアラ「そうなったら会える頻度も少なくなるし、うわーん!!」
シアン「雪華もこんなに綺麗になって…わ、私は…父は…!」
雪華「父上まで泣くな。レイン姉さんはさらに大きな声量で泣いてるし。」
煩くて全員音を消す魔法、サイレントをかけてるけど…
蛇風「誕生日プレゼントだ雪華、私からは母上が考えたパーティーゲーム一式を…」
オセロ、将棋、トランプ、人生ゲーム…うん、全部見た事ある。
レイン「---------!!」
サイレントのせいで何を言ってるか分からないが、色んな洋服のセットか。
シアン「私からはこれだ。ウサギのぬいぐるみだ。」
可愛い…私は結構昔からこういうのが好きだ。
雪華「ありがとう…そして母上のプレゼントだけど…」
姉さんと同じく服なんだけど…メンズだよなぁどう見ても。
ティアラ「これで女の子達を侍らかすんだよ!」
ちなみに、私が同性愛者というのは意外とすぐにバレた。そして皆あっさり受け入れた。
そういえば昔は同性愛者にもっとドラマを持たせろとかポリコレを理由に炎上してきた作品があったが、
そんなドラマは前世で十分にしたので、現世でくらいはこのくらい甘々で良いだろと思う。
クリスタル「最後が私ですか。私はシンプルに私がプレゼントです。」
雪華「は??」
クリスタル「一応言っておきますが、告白とかそういう話ではございません。」
クリスタル「今まではシアン様のメイドという立ち位置でしたが、今日から正式に雪華様のメイドになりました。」
クリスタル「ですので、私も学園に入れます。メイドも1人まででしたら一緒に行けますので。」
雪華「それは普通にありがたいな。」
クリスタル「メイド専用の寮がございますので1人暮らしの邪魔をするという事はございません。」
メイド「く、クリスタルメイド長!スピリッツ学園の学園長様がいらっしゃいました!!」
クリスタル「貴女もここのメイドならそんな事で慌てないの。新学園長の事だからワクワクして我慢できず、予定よりも早く来たのよ。」
???「人を子供みたいに言わないでちょうだい。私は効率的なのよ。」
…ち、小っちゃい。下手したら私よりも年下なんじゃないかこの子。
金色の髪と目に綺麗な星の柄が描かれてるが、あれは生まれつきのものなんだろうか?
クリスタル「ご紹介いたします。この方はつい一月ほど前にスピリッツ学園の学園長になられたジン・クーフン様です。」
ジン「ジン学園長と呼びなさい。私は祖母を超える天才の卵よ。」
ジン「これからも努力をし続け、祖母の全盛期を必ず超えるわ。」
10年も経てば人の魔力量が何となく分かるが…とんでもない魔力量だ。
クリスタル「ジン様が学園長に抜擢されたのは、ジン様の得意体質が大きい所でしょう。」
クリスタル「1つ、ジン様は生まれつき膨大な魔力を持っています。」
クリスタル「2つ、ジン様は生まれつき、その膨大な魔力を全て操れます。」
雪華「生まれつきだと?10の歳になる前にか?」
ジン「あくまでも全て生まれつきのものよ。私が大人達に試されるのはこれから…」
ジン「あの学園は少女達を淑女にする為、そして魔法の、ひいてはこの世界の前進の為の場所。」
ジン「今の貴女にその資格があるか、魔力を完全に扱えるようになった今日、試させてもらうわ!」
クリスタル「ジン様、ケーキはいかがですか?」
ジン「け、ケーキ…!」
おやおや?
ジン「はっ!い、今はそんな場合ではない…だが、出されたものを食べないのは失礼だ。」
ジン「後で頂こう!」
なるほど、早くここへ来てしまったのは単純に子供の好奇心か。
まさかの誕生日当日乗り込み訪問だ!そして喜べロリだぞ!キャラもコテコテなんだぞ!