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第9話



 *




 翌朝、タクトは重い頭を抱えながら目を覚ました。


 (……夢じゃなかった。)


 確かに、あの世界にいた。

 確かに、早織に会った。


 だが、時間がなかった。

 彼女の体は、どんどん薄れていっていた。


 「このままじゃ、早織は本当に消えてしまう……。」


 タクトはスマホを開き、[GATE SYSTEM] のアプリを確認する。

 そこには、**「アクセス不可」**の文字。


 (ダメだ……もう一度、あの世界に行く方法を探さなきゃ。)


 タクトはすぐに白石ナオに連絡を取った。



 「——やっぱり、お前が変なことに巻き込まれてる気がしてたんだよ。」


 ネットカフェの個室で、ナオは呆れたように言った。


 「マジで行ったのか? デジタル世界に。」


 「……行った。早織がいた。」


 「……マジかよ。」


 ナオの顔色が変わる。


 「……それ、ヤバいかもしれないぞ。」


 「どういうことだ?」


 「お前が行った世界、たぶん“システムの崩壊”が始まってる。」


 「崩壊……?」


 ナオはモニターを操作しながら説明した。


 「仮想空間ってのは、常に維持されるプログラムがあってこそ存在できる。でも、そのシステムにエラーが発生すれば……世界自体が崩れる。」


 「そんな……!」


 「もしお前の話が本当なら、早織の意識は、あの崩壊する世界に囚われたままってことになる。」


 「……じゃあ、どうすればいい?」


 タクトの声は震えていた。


 ナオは数秒沈黙した後、ゆっくりと口を開いた。


 「方法は一つ——」


 「——完全ダイブするしかない。」


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