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第8話



 空がひび割れ、白い草原が崩壊していく。


 「……っ、何が起きてる!?」


 タクトは周囲を見回した。

 世界が壊れかけている。


 「ダイブの時間制限だ……!」


 脳裏に、ナオの言葉が蘇る。


 「どこに繋がるかはわからない。でも、長くいられる保証はない。」


 「ダメ……もう少しだけ、ここにいたいのに……。」


 早織の声が震える。


 タクトは必死で考えた。


 このままでは、何もわからないまま、強制的にこの世界から弾き出される。


 「早織!! お前は本当にここにいるのか!?」


 「……うん。」


 「なら、約束しろ!!」


 「……え?」


 「絶対に、俺がまたここに来る。だから、それまで……消えないでくれ!!」


 タクトは叫んだ。


 「俺は、まだお前を失うつもりはない!!」


 早織の目が見開かれる。


 そして——


 世界は、白い光に包まれた。




 ——目を覚ますと、そこはタクトの部屋だった。


 息が荒い。汗が額を伝う。


 (……戻ってきた……のか……?)


 スマホの画面を確認する。


 [GATE SYSTEM - OFFLINE]


 アクセスは切断されていた。


 だが、それでもタクトは確信していた。


 (早織は、確かにあそこにいた。)


 彼女はデジタルの世界に囚われている。

 そして、このままでは本当に消えてしまう。


 タクトは、強く拳を握りしめた。


 (……もう一度、行くしかない。)


 彼女との約束を果たすために——。

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