第96話 ムコウ村
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ガーゴタートルに乗って辿り着いたのは、三時間後だった。
しかも目的地の王都ではなく、寂れかけた村だった。
「ここどこ?」
鏡に映ってるのは何処かの村だった。
「おんや〜、どっからきなすったか?」
村人が声をかけてきた。
とりあえず則子さんの対応に任せよう。
則子さんが得た情報によれば、ここはムコウ村。
魔王軍の領地に一番近い村で、殆どの村人は少しでも安全な王都に避難したとか……。
そして王都に行くには一ヶ月に一度の巡礼馬車に乗るしかないようだ。
しかも馬車で一週間の距離らしい。
「それで、次に来る馬車はいつですか?」
則子さんは的確に質問していく。
ちゃんと質問してるはずの則子さんだけど、なんかおかしい。
なんか不安になっているような気がする。
(どうしたんだろう?)
よく見たらアンリちゃんも不安そうだ。
見知らぬ村だからかな?
「ノゾミは鈍感ね〜、魔王軍の領地に近いから怖いんでしょ!! ここは先輩女神であるミリン様に任せなさいって」
いつのまに帰ってきたのだろう?
しかも、いつもと違って女神らしい事を言っている。
「ミリン様は、エリア様にしっかりと怒られて来ましたので……」
ああ、納得。
「まずは、馬車がいつ来るかね」
いきなり魔王軍の領地に攻め込めなんて無茶は言えないので当たり前のことだ。
「馬車は明後日だよ」
なんて運が良いんだ。
一ヶ月毎ならもっとかかるかと思っていたら、早く乗れるようだ。
「ノゾミ、則子さんって人に指示を出しなさい。明後日まで村にいるなら、村付近にありったけの罠を仕掛けなさいって」
……誰この人?
いくらエリア様に怒られたからって、ここまで変わるのか?
怖いくらい女神らしい指示だ。
私はミリンの言う通りに罠を仕掛けさせた。
「よし、これで少しは安心ね。でもまだ警戒は必要よ。飛んでくるモンスターもいるはずだから。そこで、ノゾミの出番よ。ノゾミが周囲をここから見ておけば、モンスターが来たらすぐに教えられるじゃない」
それは私に徹夜しろと言ってるのか?
まぁ、良いか……。
則子さんが頑張ってるんだ、これくらい頑張らないと。
「則子さん、まだ絶対に安心とは言えないから、気を付けて」
「はい、女神様」
ひとまず、明後日までは村にいないといけない。
魔王軍領地のすぐ近くなら、魔王軍の襲来があってもおかしくはない。
これはエネルギーモンスターを大量に準備するべきかな?
ブラック企業時代の、私の最高記録である
3日間寝ないで働いた力を見せる時だ。
馬車が出るまでの間、則子さんを見守るんだ。
そして、その後のフカフカベットで寝る為に!!
私は硬く誓った。
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