第90話 則子さんの方向性
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一日ぶりのログインのような気分だ。
「長塚則子」
さて、今は何してるかな〜。
って、町じゃない。
危ないから町にいて欲しかったのに。
「えい、えい、えい」
弱々しく剣の素振りをしているようだ。
この剣の振り方が剣聖って、笑えてくる。
まぁ、せっかく練習しているのだから、暫く見守ろう。
則子さんが成長してくれれば、私の負担も減るし。
「あ〜、疲れた〜」
疲れるほどの事なのだろうか?
まぁ、則子さんにしたら疲れるほどなのかな。
その場に座り込んでしまった。
そして、横の地面に剣を突き刺した、瞬間に猪形のモンスターが則子さん目掛けて突進してきたのが分かった。
しかし、則子さんは気がついていない。
「早く危険を伝えないと……ってもう駄目〜、って、えっ?」
もう間に合わないと思った。
猪形モンスターが則子さんにぶつかる瞬間に消えたのだ。
これってもしかして……。
「則子さん、則子さん、私です」
「あっ、女神様、お疲れ様です」
「あっ、お疲れ〜って違う、今の気がついてないの?」
「今の?」
あっ、ダメだ。
この娘は、あれに気が付かない程の天然だ。
「とりあえず剣の方を見て……」
「剣の方……って、なにこの穴……」
予想通り、モンスターは穴に落ちて剣が刺さっていた。
これは推測だけど、則子さんの剣聖と超火力が合わさったお陰で罠みたいな効果が出来たのではないか?
普通なら、斬り裂いたりするのだけど、則子さんの異常な運動音痴のせいで、穴が空いてはいるけど、空ききれずに落とし穴みたいになってしまうのではないか?
検証してみよう。
私は則子さんに一度町に戻って、モンスター討伐のクエストの受注と、安いナイフを持てるだけ買って来てもらった。
それを適当に地面に突き刺していく。
「よし、後は待つだけ、則子さん、適当に暇してて」
則子さんが依頼したクエストは、大量に出現した小型モンスターのラビを討伐するクエストだ。
さっきまでいた森の少し奥に生息しているみたいだったので都合が良かったのだ。
「きっ?」
「ききっ!!」
一、二、三、……十!!
十体のラビが現れ、一斉に則子さんに襲いかかかってきた。
「きゃ〜!!」
「大丈夫、私の予想が正しければ……」
ラビは次々と姿を消している。
数秒で向かってきたラビは全部姿を消した。
「こっ、これは?」
「予想通り!! また穴が空いてるはずだから見てみて」
則子さんはまたしても恐る恐る見ている。
いい加減慣れてほしいものだ。
「また穴の中で倒れてますよ」
やはり。
則子さんは剣聖だけど、剣聖罠師として世界を救って貰うことにしよう。
希望が見えてきた。
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