第88話 薬草採取クエスト
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手に入れた武器は剣と言うより、ナイフみたいな小さな物だった。
それでも、剣聖のスキルがあるし、薬草採取クエストくらい大丈夫だろう。
森までやってきた則子さん。
(あ〜、自分で操作してるのなら、すぐに向かうのに)
ゲームみたいだけど、ゲームじゃないので操作が出来ない。
出来るのは指示や声掛けだけなのだ。
「則子さん、あまり町から離れないように探そう」
「あっ、はい」
則子さんは薬草を探し始めた。
町から離れないようにと言ったのは、則子さんだと町に帰るまでが長そうだからだ。
歩くの本当に遅いので。
「ふぁ〜っと、いけないいけない」
眠気が襲ってくる。
則子さんは真剣だけど、私は見てるだけだから眠いのだ。
東や高木さんの時は、放置してても良かったけど、この則子さんを放置しておくのは怖すぎる。
「ありました〜!!」
いきなり声が聞こえてきてビックリしたが、どうやら薬草を見つけたようだ。
(良かった、これで後は報告だけ……ん?)
則子さんの後ろの方になにか……。
何かがどんどん近付いてくる。
「則子さん、後ろ注意して!!」
「えっ?」
ゆっくりと振り返る則子さん。
(だぁ〜、ゆっくり振り返るな〜)
近付いてくるのは、大きな凶暴そうなクマだ。
「がぁぁぁぁ」
これはヤバい。
「則子さん、逃げて!!」
声をかけたのに動こうとしない。
これはまさか……。
「腰が抜けて動けません……」
マジですか……。
これはピンチだ。
「こうなったら則子さん、剣聖の力を使って、ナイフをクマに投げて」
剣聖の力なら、ナイフを凄い速度で投げれるはず。
「わっ、分かりました……えい……」
ひょろひょろ……ぽと。
「………………えっ?」
なに今の?
剣聖の能力を持っててもそれなの?
能力を使いこなせてないのは分かるけど、それでも酷い。
私でもクマくらいまでなら届くと思う。
「……則子さん!! なんとか逃げて!! 早く!!」
もう、逃げる以外の選択肢はない。
「ぐがぁぁぁ」
クマは走ってきた。
「もう駄目だ!!」
私は目をつぶった。
しかし、その後は静かだった。
恐る恐る目を開けてみると、クマはいなかった。
「あれ? えっと、則子さん、クマは?」
「目をつぶっていたので、なにがなにやら?」
則子さんにも分からないようだ。
「あれ? あんた所に穴なんてあったっけ?」
則子さんとクマがいた場所の真ん中に穴みたいな物がある。
「まさか……、則子さん、ちょっとその穴を覗いてみて」
ゆっくりと覗き込む則子さん。
そこには、穴に落ちて、その拍子にナイフが胸に突き刺さって倒れているクマがいた。
どうやら、則子さんが投げたナイフは地面に刺さり大きな落とし穴みたいになったようだ。
ラッキーだけど、剣聖の使い方違うよね?
剣でズバって斬るんだよね?
「……則子さん、今日は町に戻って、報告したらゆっくり休んでください。私も休みますから……」
そう言って通信を切った。
「剣聖っていったい……」
考えると頭が痛くなるから寝よう!!
自室に戻り寝ることにした。
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