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第9話 先輩女神はお仕事拝見

本日の更新分です。

「さっ、お願い致します」


 シロは大鏡の前にミリンを連れていき、さっそく転生者との会話をしろと言っているのだ。

 正直私は、その転生者がどんな人なのかと、このミリンがどんな事をするのか見てみたい。

 こんなのでも、先輩女神なんだからきっと凄いに違いない。


「わっ、分かったわよ」


 ミリンは渋々大鏡の前に立った。


「私が送りし転生者よ、私の呼びかけに答えなさい、女神ミリンの名の下に!!」


 大鏡に映し出されたのは、食堂だろうか?

 そこに1人の女性が映し出された。

 この人がミリンが送った転生者なのかな?


(てか、名前を呼ばなくても大鏡はちゃんと映してくれるんだ)


「あれ? 誰かの声がするんだけど……、気の所為よね」


 その女性はウエイトレス姿をしている。

 おそらくこの映し出された食堂で働いているのだろう。

 しかし、まるでアニメか何かに出てくるような可愛さがある。


「あの〜、注文お願いしま〜す」


「あっ、はいは〜い」


 これはどういう事だろうか?

 流石のミリンも固まっていた。


「なんじ、私は麗しき女神ミリンです。私が転送した者よ答えなさい」


 ん〜、女神らしい……。

 これが、ミリンの仕事モードってやつか。

 さっきまでとは別人に見えてきた。


「えっ? 女神様? やっば!!」


 何がヤバいのだろうか?


「貴方はそこで何をしているのですか?」


 ミリンは転生者に訪ねている。

 まずその前に、名前を聞けよと思ったが言わなかった。


「えっと、ウエイトレス……」


 やっぱりウエイトレスだったのか。

 これはあれかな?

 魔王倒さないで、ウエイトレスの仕事始めちゃった的な。


「転生者である貴方は魔王を倒す大事な使命があるはず……、なのに何故ウエイトレスを?」


(放置プレイで大丈夫って言ってたっけ、それでこれか……。反面教師として見習おう)


「いや〜、魔物って怖いじゃないですか。でも、せっかく転生させて貰ったので、前から憧れてたウエイトレスの仕事をですね……」


 うん、この転生者はダメだ。

 私の転生者である東と組ませても魔王は倒せないだろう。

 心から納得してしまった。


「魔王を倒しなさい!! それが貴方の使命なのですよ」


(イヤイヤ、この人無理ですよ〜、多分……)


「嫌です!! 痛いの嫌ですし、私のチートなんてただの回復ですよ。ただのヒーラーじゃないですか!! こんなチート貰っても戦えません!! それに女神様、さっきから貴方って言ってますけど、私の名前覚えてますよね?」


 あっ、ヤバい展開だ。


「……えっと、その〜」


 ミリンは口ごもっている。

 

「やっぱり覚えてないじゃないですか。そんな人から使命だとか言われても戦えません。それに今連絡してきたって事は前から連絡出来たって事ですよね。もうこっちに来てから2年もたっているんですよ!! それをしてこなかったと言う事は、女神様もやる気がなかったって事ですよね?」


(この子鋭い)


 まったくもってその通りだ。

 さてさて、先輩女神としてのお手並み拝見です。


「うるさい、うるさい、うるさ〜い!! 貴方はとっとと魔王を倒せば良いの!! 私は女神様よ!! とっても偉いの!! いいから使命を果たせぇ〜!!」


(うわぁ、逆ギレか……)


 正直ドン引きだった。


「逆ギレですか!! そんなに倒して欲しかったら攻撃の力をくれるとか、攻撃力の高い仲間を寄越すとかしてください!!」


 向こうも逆ギレだ。

 ん?

 攻撃力の高い仲間?

 確か、私が転生者として転送した東は、剣士で絶対切断のスキルを持っていたはず……。

 この子と東を合わせて、上手く導けば世界を救えるかも……。

 でも、引きこもりと痛いのは嫌だと言う女性……、やっぱり無理な気がする……。

 まぁ、やるだけやってみますか。

 ダメならまた別の手段を考えれば良いだけだし。


「ミリン」


 私は逆ギレしているミリンに声をかけた。


「なによノゾミ、今このわからず屋に魔王を倒すように説得中なんだけど」


 説得と言うか、言い争いだと思うけど。


「私に考えがあるの、シロ、このまま私が喋ってもあの子に聞こえる?」


 転送させた女神しか会話が出来ないのならば、ミリンに説明するしかないけど……。


「はい、普段はそうですが、話したいと思えば可能ですよ」


 良かった。

 では……。


 コホン


 小さく咳払いをして……。


「えっと、初めまして。私は女神ノゾミです。貴方のお名前をお聞きしても良いですか?」


(女神ぽく、女神ぽく……)


 心の中で女神らしく振る舞うように言い聞かせている。


「別の人の声? 女神ノゾミ? えっと、初めましてアイです」


「アイさんですね。実はお話があります。単刀直入に言いますと、私が転送させた者と会ってくださいませんか?」


 まずは2人を会わせないと始まらない。

 ここからが腕の見せ所だ。






お読み頂き、ありがとうございます。


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