第87話 恐るべき武器屋
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採取クエストを受けた則子さん。
しかし、問題もあった。
それは、転生した姿のままだと言う事。
せめて武器くらいは欲しい。
「則子さん、則子さん、後いくら所持金ある?」
安い武器でも買えるくらいあればいいけど……。
則子さんのスキルは剣聖だから、剣でもあれば戦えるはずだし……。
「えっと、残りはこれだけです」
袋の中身を見せるように広げてくれた。
でもなんで?
言ってくれれば良いのに?
「広げたら盗まれたりするんじゃ?」
「あっ、そっか!! でも、まだこの世界のお金の事良く分からないんです」
そういえばそうか。
東の時も高木さんの時も気にしてなかったけど、転生したばかりだから分かるわけない。
「とっ、とりあえずお金を持って武器屋に行こう」
「はい」
……私は座って見てるだけだけだから文句は言えないけど、歩いてる則子さんの足が遅すぎる。
徒歩しか出来ないゲームをしているようだ。
暫くたって、武器屋に着いた。
「すみません、武器みせてください」
「あら〜、かわゆい娘ねぇ〜、ご予算はいくらかしらぁ〜」
うぁ!!
ガタイの大きいオカマの店主が現れた。
(って、あれ? 則子さんなら悲鳴をあげるんじゃないかと思ったけど、意外としっかりしてる? ……でも動かな……はっ!!)
「則子さん、則子さん!!」
あまりのショックで気絶していたらしい。
気弱にも程がある。
これでは、スキルは宝の持ち腐れだ。
「どぉしたのぉ〜」
「ひっ!! あっ、あの、これで買える武器を……」
則子さんは恐る恐るお金の入った袋を見せた。
「なるほどぉ〜、あなたお金の計算が出来ない初心者さんねぇ〜、この私が手とり足取り教えてあげましょうねぇ〜」
「あっ、いや、その……、女神様〜」
(あ〜、ごめんなさい)
私は少しの間だけ通信を切った。
これ以上は見れないからだ。
「あらぁ〜、良いところだったのにぃ〜」
「って!! ナナさん!! いつのまに」
こっちのヤバい人が来てしまった。
「則子さんだっけぇ〜、良いことしてると思うからぁ〜、こっちも楽しみましょ〜」
「結構です!!」
暫く襲いかかるナナさんから逃げまくった。
逃げてから三十分はたっただろうか。
私は大鏡の前に戻ってきた。
(そろそろ大丈夫よね?)
「長塚則子」
大鏡に映し出されたのは、フラフラになっている則子さんだった。
「則子ちゃぁん〜、また来てねぇ〜、ウフン」
「あっ、……いつか……」
あ〜、これは地獄を味わったのかな?
「則子さん、お疲れ様」
「あっ、女神様、あの地獄を見てくれてたんですよね」
「あっ、いや、その、見てたよ!! うん、見てた。 見たくなかったけど見てたよ」
とっさに見てたと言ってしまった。
どうしよう。
「お互い忘れましょう……」
いったいどんな目にあったんだか……。
「でも、武器は手に入ったから、これでクエスト進行できるよ」
「ですね。前向きに行きます」
ようやく森に向かって歩きだした。
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