第80話 女子高生転生者現る
本日更新分です。
宜しくお願い致します。
漫画が大好きなので、夢は大きく書籍化です。
感想や評価頂けたら励みになりますので宜しくお願い致します。
女の子の転生者だ。
しかも、若い。
「ここは何処ですか? 私どうなっちゃったのですか?」
女の子はあたふたしている。
自分がどうなったのか分からないようだ。
「そこの少女。私は女神ノゾミです。ここには怖いものなんてありませんから、大丈夫ですよ」
なにが大丈夫なのだろう?
自分で言って、分からなくなった。
それと、いつもはシロが資料を持ってきてくれるのだけど、今回は急だったので、その資料がない。
だから、名前もわからないのだ。
「……女神様ですか? なら私は……死んだのですね……」
女の子は暗い顔をした。
聞きづらいけど、名前となんで死んだかは確認しとかないと。
「えっと、まずは名前を伺っても宜しいでしょうか?」
「……私は長塚則子と申します。歳は17歳です。私、町を歩いていただけなんです。そしたら、突然、男の人が私目掛けて走ってきて……」
あ〜、なんとなく分かった。
この子は可哀想だけど、通り魔にあったのね。
「長塚則子さん、確かに貴女は死んでしまいました。ですが……」
「やっぱり死んでしまったのですね……うぁぁぁん!!」
突然泣き始めてしまった。
薄々思っていたけど、この子は、精神が弱い。
この子で世界なんて救えるのかな?
でも、他にあてはないし……。
とりあえず、今は何を言ってもダメだ。
泣き止むまで待たないと。
女の子が泣き止むまで一時間はかかった。
(あ〜、やっと泣き止んだ……さてと……)
「えっと、則子さん、異世界転生とかしてみませんか?」
こういう子には、ストレートに聞いたほうが良いよね?
ストレートすぎな気はするけど。
「ひっく……、異世界転生ですか? それって、ひっく……、漫画やアニメだけ、ひっく……、じゃないんですか?」
まだ完全には泣き止んでなかったか。
「貴女は異世界転生の資格を手に入れたんですよ。これはとっても良い事で、私なんか異世界に行けると思っただけで、嬉しくて踊りだしたくらいなんだ……、なんでもありません」
つい感情が先に出てしまった。
気をつけないと。
「ふふ、女神様って言うから怖かったけど、ノゾミ様は普通の人みたいですね」
普通の人って言うのは気になるけど、私は元は普通の会社員だから、間違ってはいない。
でも、今は二回も世界を救った女神なんだけど……。
「女神も人ですよ」
「……そうですよね? 女神様は私に異世界転生して欲しいのですよね?」
「そうですね」
「……分かりました。私、転生します!!」
いきなり立ち上がり、弱々しいガッツポーズらしきポーズをしていた。
女の子の意志表情なのだろうけど、それを見たとたん、不安でしかなくなった。
お読み頂き、ありがとうございます。
この作品を『おもしろかった!』、『続きが気になる!』と思ってくださった方はブックマーク登録や↓の『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』にして頂けたら嬉しいです。
よろしくお願いします!




