第74話 女神神界温泉一日目 3
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温泉でのナナさんの脅威はあったが、堪能できた。
後は夕飯を待つばかり。
ここの宿は部屋まで持ってきてくれるタイプみたいだ。
元の世界でも高い宿がそうだと聞いた事がある。
まぁ、縁がなかったけど……。
夕飯まで少し時間があるけど、部屋でのんびりしよう。
「って酒くさ!!」
部屋の前に立つと、強烈なお酒の匂いがした。
私は部屋の扉をあけた。
「あっ、おかえり〜、先に始めてるわよ〜」
その部屋には、お酒の瓶が大量に転がっていた。
「……なにしてるの?」
「なにって? 宴会? ノゾミの世界ではこういうのが当たり前なんでしょ?」
当たり前?
宴会が?
私が体験した宴会なんて、上司のお酒を切らさないように注意したり、上司の機嫌とったり、上司の自慢話を聞いたり、上司の嫌がらせを受けたりと……、そんな宴会が当たり前ですと?
「何が当たり前なのかな〜」
「えっ? なに? ちょっ、怖いんですけど!!」
ここでミリンにあたっても何も意味はないけど、嫌な記憶が蘇ってくる。
「ミリン〜、お酒を自重しようか〜」
「ひぃ〜!! 了解であります!!」
ミリンは恐怖で引きつった顔をしている。
横で飲んでいたレモンも驚いた顔をしている。
まぁ、当たり散らしたい所だけど、夕飯もあるし、ミリンは飲んだだけで悪くはない、つまり、これは私の八つ当たりだ。
私の八つ当たりは少しにしないとね。
コンコン
「お料理をお持ちしました」
おっ、待ってました。
すぐに大量の夕飯が運ばれてきた。
大量のお刺身、どデカいカニ、高そうなお肉、美味しそうな白米、お吸い物や魚料理もある。
しかし、美味しそうなんだけど、食べた事はないのだけど、テレビとかで見た事ある料理だ。
「あの〜、この料理は?」
「流石エリア様からの招待の女神様ですね、こちらは話題の世界から取り寄せした料理でございます。エリア様からの招待客様方なので、最上級の料理をとなりまして、こちらをご用意させていただきました」
「あ〜、そうですか……」
私は女神神界らしい料理を期待したのだけど……、まっいっか、これはこれで食べた事ないのだから。
元の世界にいても、生涯食べられなかっただろう料理だし。
「では、ごゆっくり」
そう言って、女将さんは下がっていった。
まずはお刺身から……。
「美味しい〜」
他のも食べてみた。
「これも美味しい〜、もう最高〜」
お刺身やお肉は口の中で溶けた。
カニも引き締まっていて美味しい。
他も最高だ。
問題があるとしたら……。
「それは私のよ!!」
「何よ!! 私が狙っていた獲物よ!!」
「ここから先はぁ〜、私のですぅ〜」
この三人の醜い食の争いくらいか……。
いっぱいあるのだから、ゆっくり食べれば良いのに……。
ベチャ!!
ミリン達争っていたお肉が私の顔に飛んできた。
プチ!!
何かが切れた音が聞こえた。
「三人共静かに出来ないのかな〜!!」
顔は笑っていたけど、声は笑ってはいなかった。
その声に反応して、三人は動きを止めた。
シロまでも止まっている。
「食べ物を粗末にするのかな〜」
「あっ、いや、そんなつもりは……」
ミリンが小声で話している。
「じゃあ、どんなつもりですかね〜」
「あの、その、すっ……」
「すっ?」
「「「すみませんでした!!」」」
三人の声が綺麗に揃った。
「はぁ、せっかくの旅行なんだからゆっくり楽しも」
この後は皆で食事を楽しんでから就寝した。
明日もこんな料理が食べられると思うと、嬉しくなる。
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