第72話 女神神界温泉一日目 1
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「来てしまった……」
ここは女神神界の中心から離れた場所。
言うならド田舎だ。
そこには今、女神神界で大人気な温泉スポットがある。
どんな所かと言うと、元の世界で言うと温泉街みたいになっている。
そこに私達は女神エリア様から招待券を貰いやってきていた。
「とりあえず宿に……って他の皆は」
いつの間にかいなくなっていた。
辺りを見渡してみると……いた。
「おばちゃ〜ん、これと、これと、これくださ〜い」
ミリンはさっそく買い食いに走っていた。
「はぁ、はぁ、はぁ!! 可愛い女神がぁ〜いっぱいぃ〜」
建物の影で危ない事をしそうになっているナナさん。
うん、他人のふり。
関わったら危ない。
「後はレモンだけだけど、あれ? いない?」
レモンの姿だけは見当たらない。
何処に行ったのだろう?
「シロ、レモン知らない?」
一緒にいるシロに聞いてみた。
「レモン様ならあちらの建物に入られました」
シロが指さした建物を見るとそこは……。
[リラクゼーション女神]
マッサージ店だなこれは……。
自堕落っていうか、何もしてないんだからマッサージもなにもないでしょうに。
「とりあえず中を見てみるか」
私は中の様子を見てみる事にした。
「もうちょっと強めに……、あ〜、そんな感じで」
(おっさんか、お前は)
口に出してツッコミたけど我慢。
面倒くさい事になりそうだし。
「って高!!」
目に入ってきたのは、超高額なマッサージ料金だった。
エリア様からは温泉宿のタダ券は貰っているけど、他は自費なんだから。
そもそも、こんな高額なお金持ってきてないはず。
「あの〜、すみません、そこの人なんですけど……」
「あっ、ノゾミ〜!! ここ気持ち良いわよ〜!! ノゾミもどう?」
どうって、こんな高額払えるか!!
途中でやめてもらって、値引きして貰うしかない。
「あ〜、金額の事思ってるでしょ〜、大丈夫よ、女神エリアからの招待なんだから!!」
は?
「どういう事?」
「貴方も女神エリア様の使者の方でしょうか?」
使者?
なんの事だろう?
「こちらのお客様は女神エリア様の使者の方ですよね? なんでもこの女神温泉の調査ですとか。 エリア様はこの女神神界のトップですのでもちろんタダでサービスさせて頂いております?」
「……」
全てデタラメではないけど……。
「あの〜、違うのですか?」
「はっ!! あっ、はい!! 女神エリア様の使徒です!! 調査です」
「ですよね、あなたも受けられますか?」
ここで受けたら不味い。
「いえ、私は大丈夫です」
私は逃げるようにその場を立ち去った。
お金は大丈夫そうだけど、エリア様の雷は落ちそうだ。
とりあえず皆は好き放題しているので、私は宿でのんびりさせてもらいますか。
皆も宿の場所は分かっているだろうから、大丈夫だろうし、私は宿に向かった。
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