第70話 最後のカラドリス2
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「願いは決まってるぜぇ!! とびきりの女ってのも捨てがたいが、使い切れない程の金が欲しいぜぇ!! 女は魔王を倒したパーティーの一人だから勝手によってくるからな」
……なんてゲスい考え方だ。
まぁ、魔王を倒した英雄なんだから、一人くらいは女の子がくるかもしれないけど……。
私だったら絶対にお断りだけど……。
「分かりました」
レモンは祈り始めた。
少しすると、アルスアリスがの世界の時と同じく平井さんの近くに宝箱が現れた。
「開けてみてください」
平井さんが宝箱を開けると、何故かビックリするように飛び上がり、そのまま倒れ込んた。
「どうしたのですか?」
レモンも心配するんだ……、ってそんな事思っちゃダメ。
心もブラック企業時代の名残で黒くなってきていたのか?
気をつけないと。
「ああ、多分信じられない大金を見て倒れたんだとおもうぜ〜、意外と小心者だからな〜」
そう言う田中さんの願いはなんだろう?
「ならぁ〜、貴方の願いは何かしらぁ〜」
「俺の願いは決まっている!! 俺に従順な女が欲しい!!!!」
うん、男ってみんなこんなのばっかりだ。
東も平井さんも田中さんも、女、女って、私達女性は物じゃないんだから。
「分かったわぁ〜」
ナナさんも祈り始めた。
また東の時みたいに何処かに飛ばされるのかな?
「あの〜、勇者様のパーティーの田中様ですよね?」
「そうだけど〜、君は〜?」
いきなり可愛らしい女性が田中さんに声をかけてきた。
まさか!!
「魔王を倒した勇者田中様、好きです付き合ってください!!」
そのまさかだった。
そして、田中さんはデレデレになって、その女の子と何処かに行ってしまった。
もう唖然として見ている事しか出来なかった。
「……次行こっか……」
気持ちを切り替える事にした。
「じゃあ僕だね」
元気君か。
元気君なら何故か安心出来る。
まだ子供だしね。
「なんじ遠藤元気、願いを言うがいい」
何様のつもりだ、この駄目女神のミリンは……。
「なんでも叶うの?」
「言ってごらんなさい」
なにか躊躇しているようだ。
「……分かった、言うね……あのね、巨大ロボットが欲しい」
あ〜、巨大ロボットね、男の子は憧れるよね〜、……って巨大ロボット!!
なんというか、子供らしいというか……。
そんなの叶うのか?
叶うとしても、ファンタジーの世界に巨大ロボットって……。
「分かりました、叶えましょう」
って、叶うか分からない事をそんな簡単に。
ミリンは祈り始めたは。
すると、いきなり巨大ロボットが姿を現した。
しかもなかなかカッコいいデザインだ。
「うぁ〜、ありがとうミリン様」
眩しい。
純粋な心が眩しい。
てか、本当に叶うとは……。
魔王討伐の報酬、恐るべし。
さて、最後は私か。
高木さんの番だ。
「高木さん、お疲れ様でした。改めて、魔王討伐ありがとうございます」
「いや、女神様に言われると照れますね」
「早速ですが、高木さん貴方の願いを聞かせてもらっても良いですか?」
高木さんの願いが一番気になる。
まさか、こんな好青年が女とか言わないだろうな……。
「そうですね、僕の願いは、今後も生きていくこのカラドリスの永遠の平和ですかね」
なんという願いだろう。
こんな他の人の事も考えた願いがあるのだろうか。
「えっと、それで良いのですか? ほら、平井さんや田中さんは自分の欲望に忠実で……」
って、私は何を言っているのだ。
「いや、僕には彼女がいますから、お金も王様からいただきましたし」
……ん?
彼女?
まさか、魔王を倒してすぐに彼女を作ったの?
高木さんが?
「あっ、その彼女が来ましたよ」
どんなやつだろう、顔を見てやる。
「皆でなにをしているんだ?」
って、ハルカさんだ。
ハルカさんより今は高木さんの彼女だ。
早く映れ!!
「あっ、ノゾミ様、僕の彼女のハルカさんです」
……?
…………?
………………?
「僕の彼女? ハルカさん?」
頭が混乱している。
えっと、つまり……。
「二人は付き合ったの〜!!」
ゴホン
シロに睨まれてる。
ついつい本音が出てしまった。
「えっと、おめでとうございますね」
「ありがとございます、これからも二人で平和を守っていきますので、ノゾミ様も見守っていてください」
「女神様、勝也殿と二人で守るので安心してくれ」
手なんか握って……、なんかラブラブな二人を見ていたら熱くなってきた。
もう勝手にしてくださいって感じた。
でも、お仕事なので、私は祈り始めた。
これって、叶ったのかな?
まぁ、平和は守られるでしょう。
「さて、悲しいですけどお別れです、最後に本当にありがとございました」
そう言った瞬間に、大鏡は普通の鏡に戻ったのだった。
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