第67話 決戦魔王シキ5(転生者チーム視点)
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「平井さんの想い受取りました」
平井さんが命懸けで繋いでくれたこのチャンス、絶対に無駄にしない。
「そんな見た目に騙されはせんぞ!! 返り討ちにしてやる!!」
魔王の表情が変わった。
僕の力を見て、真剣になったようだ。
「魔王シキ行くぞ!!」
「先手必勝だ、デストルネード」
黒い竜巻みたいな物が真っ直ぐに向かってきた。
「魔法剣!!」
黒い竜巻が剣に吸収されていく。
「その程度で吸収されるものかぁぁ〜」
「ぐはぁ!!」
吸収しきれない黒い竜巻が僕の胸に直撃した。
そして、竜巻に巻き込まれる形で上空に吹き飛ばされた。
「くっ……、でも魔法剣は出来てる……、地上にぶつかるまでが勝負だ!!」
魔法剣に残った力を全て注ぐ。
これで魔王の力だけではなく、僕の力も混ざった魔法剣になるはず。
先ほどは、魔王の力だかの魔法剣だった為に吸収されてしまった。
これはその対策だ。
そして、上空に吹き飛ばさたのはチャンスだ。
落下スピードをプラスして攻撃出来る。
しかも、田中さんも最後の力を振り絞って、気配遮断を使ってくれているみたいだ。
少しでも魔王に気が付かれなくする為だろう。
(ありがたい……これで決める)
「魔王!!」
斬りかかる直前でこちらを向かせた。
「こしゃくな!!」
「うぉぉぉぉ!!」
ザシュ
「ぐぁぁぁぁぁ」
少しかわされてしまったが、角を叩き斬った。
魔王はかなり苦しんでいる。
そして、折れ角の所から黒い煙が抜け出てきた。
その煙は上空で人の形を形成していった。
「いったいなにが?」
「あっ……ああ、あの煙……ヤバい」
元気君の危険感知が反応しているようだ。
しかし、もう動けそうもない。
ハルカさん達も回復していない。
「はっ、ワタシは何を?」
黒い煙は魔王から全て抜け出たようだ。
さっきまで戦っていた魔王ではない。
最初に会った、少女のような魔王に戻っている。
「えっと……」
「浮かれるナ!! 貴様らの運命ら死ダ!!」
上空の黒い煙から声が聴こえる。
どうやら、この黒い煙が魔王を操っていたみたいだ。
だが、このままだと殺られる!!
全員まともに動けない。
少女の魔王は黒い煙に気が付いてもいない。
しかし、まともに動けそうなのは魔王だけだ。
ここは……。
「魔王シキ!! 上を見てくれ」
僕は魔王に声をかけた。
「……上? キャア……なに……あれ?」
「あれは、君を操っていた物だ!! 倒せないか?」
最後の希望が魔王だとは、なんとも言えない展開だ。
「無理無理無理!! ワタシ、戦う力なんてなんいの!! 皆が勝手に戦ってくれるからなんとか魔王をしてるだけなんだよ」
なんて事だ、お飾り魔王だったなんて……。
でも変だ。
黒い煙は魔王に取り憑いていた。
その魔王はかなりの力を使っていた。
おそらく、魔王になるくらいだから戦闘力は高いのだろう。
しかし、無理に戦わせるわけにはいかない。
これまでか……。
僕は目を瞑った。
「ぐはぁ!!」
黒い煙がダメージを受けたような声が聴こえる。
一体何が?
黒い煙を見てみると、黒いフードを被った剣士が黒い煙を斬り裂いていた。
「何者だ……ぐぁぁぁぁぁ!!」
容赦なく細切れにしていった。
そして、黒いフードの剣士は魔王の前に立った。
「あなた誰?」
「お前の部下の冬子は俺と共にいる!! だからお前も俺と来い!!」
黒いフードの剣士は魔王に手を差し伸べた。
ここで行かせてしまってはいけない。
魔王から話しが聞けなくなる。
だが動けない。
頼む、断ってくれ。
「フユコがいるの? なら行く〜」
期待は裏切られ、魔王シキと黒いフードの男は消えてしまった。
だが魔王軍は退け、魔王も消えてしまったので世界は救われたのか?
曖昧な感じだが、僕の意識はそこで途切れた……。
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