第64話 決戦魔王シキ2(転生者チーム視点)
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「こんなで悪かったな〜!! 皆して幼女幼女って言って、好きでこんな見た目してるんじゃないのに、ふ、ふえ〜ん」
魔王はいきなり泣き出してしまった。
理解が追いつかない。
こんな女の子が魔王で、世界征服をしようとしてた?
「……あの〜、とりあえず泣き止んで」
元気が魔王に近付き、ハンカチを渡した。
(なんだ、この青春マンガにありそうな展開は……)
とりあえず成り行きを見守ろう。
後ろで戦っているハルカには悪い気がするけど……。
「ひっく、ひっく……、ありが……は!!」
いきなり魔王からドス黒いオーラみたいなものが溢れ出し、魔王の頭にあった角みたいな物が大きくなった。
元気も危険感知で察したのか、すでに非難していた。
「いったいなんなんだぜぇ」
「分からない、でもこれはヤバそうだ、元気君!!」
ここは危険感知の出番だ。
「あ、あ、あ、ありえない……こんな危険、あるの……、もうダメだよ……」
元気君は絶望している。
それほど危険な状態なようだ。
しかも、さっきまでとは雰囲気が違う。
まるで別人のようだ。
「我は魔王シキ……古の魔王なり……我の前に現れし愚かなる者に滅びを与える……、デススレイブ」
魔王のオーラが集約し、レーザー光線のようにまっすぐ向かってきた。
賭けに出るしかない。
出なければ、直撃して終わりだ。
「これが魔法ならば……魔法剣!! うっ、うぁ〜!!」
魔王の攻撃力が強すぎるのか、魔法ではあるようで魔法剣にはなった。
しかし、維持しているだけでも、身体中が痛い。
「く、くぁ!!」
立っているのも辛い。
「高木!!」
「高木、大丈夫かだぜぇ」
田中さんと平井さんの声が聴こえるがそれどころではない。
しかし、この魔王に対抗出来るのは僕しかいない。
「これを防ぐか……面白い……、デスレイン」
今度は黒い雨粒みたいな物が前方に無数に浮いている。
魔王が右手を上げて、その手を勢いよく振り下ろした。
ピシュピシュピシュ!!!!
凄い豪雨のように降り注いでくる。
「うぉぉぉぉ」
この魔法剣で防ぐしかない。
僕が覚悟を決めた時、
「こっちだ!!」
気配遮断で近付いて来た田中さんが、僕の手を引いて、デスレインをなんとかかわした。
「あっ、ありがとう」
「これが俺に出来る限界なんだかんな!!」
まだ魔法剣は作ったままだ。
魔王も俺が避けているとは思っていないはずだ。
このチャンスに斬り込むんだ。
「うっ」
僕は地面に膝をついてしまった。
魔法剣のダメージが大きい。
このままだと、チャンスを逃してしまう。
(なんとか立つんだ!!)
そう思って気力を振り絞った。
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