第58話 女神VS四天王4
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いったい何が……。
私は目を開けてみた。
すると、炎は斬り裂かれ半分になって私達の横を通過して爆発した。
フユコは斬られたらしく、倒れて、痛さで駄々っ子の様に騒ぎまくっていた。
よく見ると、黒いフードを被った剣士らしき人物がフユコの後ろに立っている。
「誰?」
この女神神界には男の人はいないはずなのに?
目の前の剣士はどう見ても男性だ。
「いったい誰なの?」
しかし、剣士が答える事はなかった。
その剣士はすぐに消えてしまったからだ。
「……なんだったの?」
でもなんか見覚えのあるような気がしている。
顔も見えなかったのに不思議な感覚だった。
「って、そんな事より」
身体がいつの間にか動くようになっていた。
私は急いでエリア様に駆け寄り回復魔法を使った。
「ありがとうございます、女神ノゾミ」
「そんな……当然の事をしただけです」
他の皆もエリア様の無事を見て安心している。
しかも、アキオはエリア様が倒し、フユコも謎の剣士が戦闘不能にしてくれた。
なんだが分からないけど、私達の勝利だ。
すぐにフユコを拘束し、アンチ魔法と言う物でフユコの魔法とチート能力を封じた。
「女神ノゾミ、とりあえず冬子さんに回復魔法を」
私は言われるままに回復魔法をかせた。
「なんのつもり? 私に施しのつもり?」
「そんなつもりはありませんよ。さぁ、話しもらいましょうか? 何故転生者のあなたが魔王軍にいるのかを……。何故死んでいないのかを……」
「……私が殺された後、魔王様が復活魔法をかけてくださったのだ」
魔王が冬子さんを救ったって事か……。
とりあえず、私達は黙って冬子さんの話しを聞いた。
冬子さんは教えてくれた。
女神であるエリア様が助けてくれなかったが、魔王が助けてくれた事。
その魔王が冬子さんを必要としてくれた事。
魔王が人間を滅ぼそうとしている理由等を。
「そんな事が……」
「そうよ、あんたが助けてくれないから私は死んだ。でも魔王様のおかけで今の私がある。魔王様の目的も世界のエネルギーを使いすぎ、世界を破滅に追い込んでいる人間を世界の為に滅ぼそうとしている事。皆、偉大な魔王様があんたら女神より良かったから私は魔王軍に入ったのよ!!」
いやいや、そんなの嘘でしょ。
ただ、転送魔法が便利だから利用されただけな気がする。
「……そうだったのですか……」
エリア様が険しい顔をしている。
キィン
何かが斬られる音がした。
「あっ! 動ける」
拘束していたはずの冬子が動けるようになり逃走した。
なんで拘束が解けたんだ?
更に、逃走先にはさっきの謎の剣士が立っている。
そして何故かその剣士は冬子の手を取り、目の前から消えてしまった。
今度は完全にこの女神神界からいなくなったようだ。
私達は啞然としていた。
「って、早く大鏡の部屋に戻らないと」
冬子や謎の剣士の事も気になるが、今はそれ以上に高木さん達が気になる。
私達はエリア様の魔法で部屋に戻った。
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