第57話 女神VS四天王3
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「てめぇらは俺様達に勝てねぇよ!! なぜなら……」
アキオが視界から消えた。
「消えた?」
「そんなはずはありません。きっと何処かに……きゃ!!」
エリア様が悲鳴を上げて倒れた。
「ごほぉ」
ナナさんもお腹を押さえて座り込んだ。
「これが勝てねぇ理由だよ」
アキオの声がする。
何かしたのだ。
「何したの?」
「あんた、まだ分からないの? 女神だから頭悪いのね。教えてあげる。あんた達は魔法に頼ってるから身体能力が素人以下なのよ。まぁ、私は生前は運動系の部活で鍛えてたし、魔王様の元にいっても特訓してたから……」
フユコがいきなり目の前に現れお腹に拳をめり込ませていた。
「ぐ」
痛い。
ナナさんがお腹を押さえたのは、こういう事か……。
「あわわ、ヤバいじゃないの……、炎よ舞え!!」
無数の火の玉が現れ、アキオとフユコに向かっていく。
「……ミリン……ダメ……」
お腹が痛くて声が上手く出せない。
ミリンの攻撃魔法は火だ。
火の四天王であるフユコには効くはずがない。
しかも、威力もそんなにあるわけではない。
私達は正式に魔法が使える等級になっていない。
仮の状態で使えるようにしてもらっているだけなのだから。
つまり、勝てる可能性があるのはエリア様しかいない。
私は自分を回復させ、エリア様を回復させた。
「あら、あんたの力は回復だったの? でもむ〜だ〜でした〜。魔法の力はともかく身体能力ではあたし達が圧倒的に上。たとえ、強化しててもね」
確かに現状の強化だけでは全く勝てない。
でも、エリア様なら。
「すみません。女神ノゾミ、ミリン、ナナ、レモン、そしてお世話妖精のシロさん、このままだと勝てません」
「なんで謝るのです?」
「私達はぁ〜まだぁ〜負けてないぃ〜」
「そうよ、まだ勝てる」
「ババアが弱気になるなんて見たくないのよ!! いつも強気でいないと……」
「そうです。力を合わせれば勝てますって」
根拠のない説得だ。
実際、力を合わせても勝てないだろう。
今も話しが終わるのを、待っててくれてるくらいの力の差がある。
二人の方を見ると余裕な笑みを浮かべている。
「皆さん、ここは冬子さんを転生者にした私の責任なのですので……停止!!」
「……エリア様なにを……」
私達の身体が動かない。
「停止の魔法をかけました。そこで見ていてください」
「エリア様、ダメです」
「バハア」
私達の声も虚しく、エリア様は四天王の二人の前に立った。
「あんた一人で向かってくるんだ。でも手加減なんてしないんだから……」
「私の覚悟を見なさい!!」
エリア様はそう言うと何かを唱え始めた。
「させるかよ」
アキオがまた消えた。
「させないよ!!」
フユコもエリア様の前に瞬時に移動して、炎を纏った拳で殴りまくっている。
アキオも後ろから現れ連打を浴びせている。
魔法でダメージを減らしているのか、エリア様にはあまりダメージが入ってはいないようだ。
それでも少しは効いている。
反撃する隙も与えてくれないほどの連打。
そして……。
「……きゃぁぁぁぁぁ」
魔法の効果が切れたのか、エリア様が悲鳴を上げた。
「エリア様!!」
しかし、動きを止められてる私達にはなにも出来ない。
そして、エリア様は倒れた。
「はぁはぁはぁ、ふふふ、あ〜はは、やったわ!! 因縁の女神を倒したのよ!!」
「俺様達の敵じゃなかったな。女神って言うから強いのかと思ったんだが、期待外れだった……ぐぁぁぁぁ!!」
突然、アキオが悲鳴を上げ倒れた。
いったい何が……?
「いたぁぁぁ」
フユコも倒れはしていないが、痛がっている。
「ふふふ、なんとか一人ですか……」
エリア様が何かしたようだ。
「あんた、何したのよ」
「私のダメージを全てあなた達にも与えただけですよ。自分が受けたダメージを相手に返す魔法、反射です……」
そんな魔法が……。
でも、エリア様のダメージも酷い。
早く動けるようになれ!!
回復させないと。
私はジタバタしようとしたが、全く動かない。
いつまで効果が続くのだ。
「アキオさんは倒せたみたいですが、フユコさんを倒すにはダメージが足りなかったようですね……」
エリア様はなんとか喋っているが、かなりつらそうだ。
「……そう……、そんな隠し技があったなんて……でも、もうないわね、私がトドメをさしてあげる」
フユコは片手を上げて、何かを唱え始めた。
するの上げた手の上に巨大な炎の塊が現れた。
「これで燃やしつくしてあげるわ!! 死になさい」
フユコの炎の塊がエリア様に向かっていく。
「逃げてください、エリア様〜」
「ババア、逃げろ〜」
私が動ければ盾にでもなんでもなれるのに。
(もう駄目だ。でもなんとか出来るなら誰かなんとかして〜)
もう見ていられない。
私は目をつぶった。
「きゃぁぁぁぁ」
すると、フユコの悲鳴が聞こえてきた。
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