第53話 地のハルオ
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「距離をとるっていっても、僕達は遠距離型ではありませんよ」
僕達全員、近距離型だ。
「分かっています。私と高木さん、平井さんの三人でヒット＆ウェイで戦います。田中さんと元気君は一時離脱を」
ハルカさんからの指示が出た。
田中さんと元気君を一時離脱させると言う事は、視界から消して、田中さんの能力である気配遮断と元気君の危険感知を駆使してのトドメ用意だろう。
俺達は作戦の意図を理解しハルオを囲む陣形を組んだ。
「作戦は決まったかよ！！ ならそろそろ行くぜぇ！！」
ハルオはいきなり地面を叩いた。
その瞬間地面が爆発した。
いや、実際は地面にパンチし、その衝撃で爆発と同じような事を引き起こしただけなのだろう。
土砂等が舞、視界が悪いくなった。
「気をつけろ！！」
ハルカさんが叫んでいる。
「おらぁ」
狙いは僕か！！
ギリギリの所でハルオの拳をかわした。
身体強化10倍の能力のおかげでなんとか反応出来た。
レベルもかなり上がっているので、その能力の効果が上がっているみたいだ。
これなら！！
回避した足が地面についた瞬間に、地面をハルオに向って蹴った。
そして、ハルオを斬りつけて、そのまま反対側に走り抜けた。
「俺の攻撃も食らいやがれだぜ」
平井さんも攻撃を仕掛けてくれた。
「雑魚は引っ込んでろ！！」
「ぐはぁ」
ハルオはカウンターで平井のお腹付近を殴り、吹き飛ばした。
「平井さん！！」
「まだだ！！」
いつの間にか背後に回っていたハルカさんがハルオを背中から斬りつけた。
「ぐはぁ」
「今の以前お前に倒され、死んでいった団員の分だ！！」
やはり前に戦った事があるようだ。
「お前も死ぬんだよ！！ おらおらおらおらおら」
連続パンチでハルカさんを追い詰めていく。
それをなんとか剣で受けているが、徐々に押されている。
ダメージも受けているようだ。
「ハルカさんから離れろ！！」
がら空きの背中をハルカさんのように斬りつけた。
「ちょろちょろと鬱陶しい！！ これでも受けてな！！ アースボム」
ハルオが片手を僕の方に向け、ボールくらいの大きさの岩を出した。
その岩はそのまま俺の方に向かってきた。
「まさかハルオが魔法を！！」
片手でも防戦一方になっているハルカさんは驚いている。
「はは、前は魔法を見せるような戦いじゃなかっただけだ。今回は鬱陶しいから特別だ」
「うぁぁぁぁ」
岩の爆弾を僕は剣で斬りつけた。
爆発するかも知れないが、僕にはもう一つの能力がある。
まだ能力のほとんどが不明だけど、それにかけるしかない。
「高木さん！！」
「安心しろ、爆発は一瞬だ！！ それであいつは死ぬ。そしてその次はお前だ〜！！ それ爆発だぁ〜」
「爆発? そんな事はしないぞ」
岩を斬りつけた瞬間、岩は剣に吸い込まれた。
そして、肌色の光をまとっていた。
賭けに勝ったのだ。
「なんだと！！ てめぇ、魔法剣使い！！」
「だったらなんだ！！」
「なら、お前から殺してやる！！」
「良いのか、手をとめたら私がお前を攻撃するぞ」
俺達の連携はハルオを追い詰めていた。
「この雑魚共がぁぁぁ！！」
「きゃぁぁぁぁぁ」
凄まじい威力の拳でハルカを吹き飛ばした。
そのまま僕に突進してきた。
「地爆剣！！」
魔法を纏った剣をハルオに投げつけた。
剣はハルオの手前に落ちてしまったが、地面に刺さった瞬間に大爆発を起こした。
「ぐぁぁぁぁ！！」
ハルオにかなりのダメージを与えたようだ。
「今だ！！」
俺は大声を出した。
「やぁぁぁぁぁ」
「くらえぇ〜」
田中さんと元気君がハルオの前に突然現れ剣を突き刺した。
「ぐぁぁぁぁ！！」
そのままハルオは地面に倒れた。
「やった……」
ハルオはもう虫のいきだ。
「く……そ……、雑魚に……倒される……なんて……、しかし……俺は……四天王の……中で……は最弱……、しかもこの……戦いも、他の……四天王が見て……いるはずだ……、ざまぁみろ……今度こそ……終わり……だ……ぜ……」
言いたい事を言って、息を引き取った。
「他の四天王に俺達の情報が漏れたのか……」
それはかなり困る状態だが、もう後戻りは出来ない。
襲ってくる前にもっとレベルを上げて準備しておかないと。
おそらく、そんなに時間はないだろうから。
俺達は勝利の余韻に浸る間もなく、レベル上げに向かった。
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