第44話 女神モール
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私とミリン、ナナさん、レモン、シロの五人は女神モールと呼ばれている場所にやってきた。
どうみても、元の世界にあったショッピングモールの様な気がする。
本当にこの女神神界は元の世界の真似が好きみたいだ。
神の世界とは思えない。
「さて、暫く自由行動にしよう」
そうレモンが言った瞬間、ミリン、ナナさん、レモンの三人が手を出してきた。
「なに? この手?」
「「「お小遣い頂戴」」」
三人はハモった。
「……お小遣い? 何で私が?」
住み着かれ、食い散らかされているのに、その上、お小遣いまで寄越せと言うのか。
「だって、ノゾミは女神でしょ? 私は女神補佐だから、ノゾミに養ってもらわないと」
「私もぉ〜、女神としてのぉ〜、仕事してないからぁ〜」
「私は、自堕落な生活を送るんだから、お小遣いが必要なの」
三人共めちゃくちゃな言い分だ。
「はい」
「えっ? シロ?」
シロが素直にお小遣いを渡している。
「なんで?」
「こんな事もあるとエリア様から申し使っています」
流石、エリア様だ。
お小遣いを受け取った三人。
「なら、二時間後にここで集合にしましょ」
全員がそれで良いと言うと、三人はそれぞれ買い物に言ってしまった。
「……まぁ良いか。私達も行く?」
前に買い物した時は時間もなかったので、ゆっくりと出来なかったけど、今日は少しは時間がある。
試合は三日後なので、今日一日くらいならのんびりしていても良いだろう。
「ノゾミ様は何を買われるんですか?」
「ん〜、まずは本屋とかないかな?」
ラノベとかあると嬉しい。
「本屋ですか? それならあそこに……」
あるのか!!
ますます元の世界と変わらない。
しかし、それは良い事だ。
私はそのまま本屋に吸い寄せられるように歩いていった。
本屋の中も元の世界とほとんど変わらない。
(ここが本当に女神の世界と言うのも疑わしくなる……)
女神観光ガイド、女神雑誌、女神の歴史、女神コミック等がある。
何でも女神ってつければ良いと言うわけじゃないのに。
「ん? シロ、これってどういう事?」
本屋の壁に貼られた一枚のポスター。
[神界に注意。神を見たら報告を]
神って、私達の事じゃないのかな?
「ノゾミ様は知らなかったですよね。この女神神界の他にも、私達妖精が暮らす妖精界等があります。神界と言うのは汚らわしい男の神の世界です。この女神神界と妖精界は協力関係にありますが、神界とは敵対と言って良い関係なのです。他にも悪魔の世界である魔界等もあります」
「そうなんだ」
「前に、戦争になった事すらありますから」
物騒な話だ。
「そんな事になったら嫌だな」
「もう何百年も前の事ですので、大丈夫ですよ」
なら良いのだけど。
まぁ、それより今はラノベだ。
「えっと、ラノベは……」
「ここじゃありませんか? 大人気世界の商品と書かれてますよ」
シロの言った場所を見ると、見覚えのある漫画や探し求めていたラノベ等が並んでいた。
(もう読めないと思っていのに……)
私は数冊表紙買いをしてしまった。
でも、後悔はない。
元の世界でもそうだったからだ。
その後、食べ歩きをしたり、家具やアクセサリー等を見て集合場所に向かった。
「まだ三人は来てないか……」
あの三人が時間を守るとは思えないから、いるとは思っていなかったけど。
「お待たせ〜」
ミリンが戻ってきた。
両手にお菓子を抱えて……。
「何? それは?」
「何って、お菓子やジュースよ。同じものじゃ飽きちゃうでしょ」
言葉もない。
その次にレモンも戻ってきたが、ミリンと全く同じでお菓子とジュースを大量に抱えていた。
おかしな事に買ってきた物は被っていないようだ。
最後にナナさんも帰ってきたが……、手には洋服が入った袋を持っていた。
「ナナさん、その洋服って……」
嫌な予感しかしない。
しかし、ナナさんは答えず、私達の方を向いてニヤニヤしているだけだった。
何だが寒気がしてきた。
まぁ、とりあえずこれでレモンが占ってくれるだろう。
私達は帰路についた。
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