第39話 二人の転生者2
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(順調みたいね)
二人が宿屋の中に入っていく。
暫くは見守る事にしよう。
「どの部屋にいるんですか?」
「さぁ、女神様もそこまでは言ってなかったなぁ〜」
「お兄ちゃんの女神様って天然なのかな?
なんか声の感じも天然って感じだったじゃない? 僕の担当女神になった女神様は知的な感じがしたよ」
(なっ、なんで私が天然で、ミリンが知的なのよ!!)
まぁ、子供の言う事だから我慢。
「そうかな? 僕の女神様も知的だと思うけど……、なんか勉強しかしてこなかった社畜みたいな雰囲気だったよ。あっ、これは内緒ね」
(聴こえてますよ!! 言うに事欠いて社畜ですって!! まぁ事実だけど……それを言うかな〜!!)
もうサポート辞めて、エリア様に謝ろうかな?
「駄目ですよ!! エリア様に任されたのですから」
いつの間にかシロがいた。
お説教は終わったのだろうか?
って、他の三人もシロの後ろにいた。
「どうしたの? 皆揃って」
「はい、必要になると思いまして、お説教後に連れてきました」
流石、気の利くお世話妖精さんだ。
「遠藤元気君、女神ミリンです。他の転生者の方は見つかりましたか?」
様子をみようと思ったのに、ミリンが話しかけてしまった。
「あっ、ミリン様。ここにいるのは分かっているんですが、女神ノゾミって人の情報が不確かで、どの部屋か分からないんです」
この子供は〜!!
怒りが込み上げてくる。
「そうですね。あの女神ノゾミは、私のような知的な女神ではないので、許してあげてください。分からないのでしたら、全員に話しかければ良いのです」
子供よりもミリンに怒りが向いた。
(よし、しばらくお菓子抜きにしよう)
私は心に誓った。
「分かりました。流石、僕の女神様ですね」
「当然の事ですよ」
勝ち誇った顔でこちらを見てくる。
この顔、ムカつく。
「ねぇねぇ、私達関係なくない?」
「私もぉ〜、この世界の担当じゃないよぉ〜」
二人共確かにこの世界の担当ではないけど、もうすぐ担当になるんだからいてもらわないと。
まぁ、そうなる事は知らないだろうけど。
「まぁ、もう少しいてよ」
良く分からないって顔をしているけど、とりあえず居てくれてるから良しだ。
そんな事をしている間に聞き込みも進んでいた。
「あの〜、女神様から転生された人を探してるんだけど〜」
「……いっいや、……しっ、知らねぇな〜」
「あっ、ああ。知らない知らない、おっ俺達は関係ないぜぇ」
うぁ〜、絶対この二人だ。
いかにもチャラ男みたいな感じの男だ。
「あなた達ですね。僕は高木勝也、この子は遠藤元気君です。二人には魔王討伐のパーティーに加わって欲しいのです」
単刀直入過ぎないかな?
「ちっ、なんでバレたんだ!! まぁ良い、俺達は魔王を討伐なんて諦めたんだよ!! 俺達の能力じゃ、そもそも冒険なんて無理なんだ!!」
「そうだ、そうだ」
冒険が無理な能力ってなんだろう?
「聞かせてやんよ、俺こと、田中雅史はなぁ〜気配遮断なんだよ。俺や俺が対象に選んだ人物の気配を消す能力なんだよ」
「俺は平井健三だぜぇ。能力はレベル変換で、人間のレベルを下げたり戻したり出来るんだぜぇ。上げる事は出来ねぇぜ」
ハズレスキルかな?
確かに冒険向けじゃない。
「あの〜、確かにそんな能力じゃ冒険には向かないわよね〜」
この駄女神はまた余計な事を。
でも、まだ担当女神がついてないと思うから大丈夫か?
「なんだ!! 今の声は!!」
「誰だ!! 何処にいる!!」
はい、遅かったらしい。
「ナナさん、レモン、この二人の転生者に話しかけて見てくれない?」
「えっ? 私は転生とかした事ないんだけどは?」
「私もぉ〜、担当はぁ〜、もうないよぉ〜」
「良いから話して見て!!」
二人はしぶしぶ鏡の前に立った。
「えっと、田中雅史」
「平井健三〜」
「なんだ?」
「さっきから誰なんだ?」
良かった。
聴こえたようだ。
「成功みたいね」
「どう言う事?」
「なんなのぉ〜」
意味が分からないみたいだ。
「えっと、つまり二人はこの転生者の担当になりました」
「「「「え〜」」」」
四人の叫びが揃った。
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