第38話 二人の転生者1
本日更新分です。
宜しくお願い致します。
夢は大きく書籍化です。
感想や評価頂けたら励みになりますので宜しくお願い致します。
「レモンも連れていかれたし、とりあえず高木さんに連絡しとこっと」
私服だけど相手には見えないし、今回は緊急って事で良いよね。
自分で自分に言い聞かせた。
シロが聞いたら怒るだろうけど。
[女神らしくしなさい]とか言いそうだ。
「さて、今のうちにっと、高木勝也」
鏡に高木さんが映し出された。
「高木さん、高木勝也さん、女神ノゾミです」
高木さんは眠っているようだった。
まだ夕方くらいだと思うのに寝てるなんて……。
「起きてください。新しい転生者の情報があるんです」
ダメだ。
全然起きる気配がない。
寝たらなかなか起きないタイプなのかな?
「こうなったら……」
こっちの姿は見えなくても、声は聴こえるのだから……。
私は自室に一度戻りある物を探してきた。
それは前買った、マイクである。
「えっと、確かこうやって……」
このマイクは進行方向に声が飛ばせるマイクなのだ。
これなら、他の四人に気が付かれないで大声が出せる。
「こら〜、起きなさ〜い!! 高木勝也〜さ〜ん〜」
「うっ、はい〜!!」
高木さんは飛び起きた。
よっぽどうるさかったのだろうか?
「起きましたね」
「あっ、はい、ですからそれは止めてください」
あっ、まだマイクで話していた。
いけない、いけない。
「すみませんでした。えっと、今日は転生者の情報を持ってきたのです」
要件を早く伝えないと。
「転生者の情報ですか? それは助かります」
「はい、高木さんは転生されて間もないので知らないかもしれませんが、宿屋アザミと言う場所に二人共いるみたいです」
「宿屋アザミですか……、元気君なら知ってるかも知れませんから聞いて言ってみます」
「頼みましたよ」
流石に前みたいに、ここですって展開にはならなかったか。
少し残念ではあった。
私は高木さんとの連絡を一旦終えて、部屋を出た。
「あっ、ノゾミ。なにしてんの?」
廊下の奥からレモンの声がした。
「えっ? レモン? シロに連れてかれたんじゃ?」
シロがレモンの部屋に連れて行ったはず。
シロの事だから、ここでの生活についてのルールとかを、お説教の如く話してるもんだと思ったのに。
「シロ? ああ、あの妖精ちゃんね。部屋を案内されてどっかに言ったよ」
「そうなんだ」
あのシロがどっかに言った?
なにか用事かな?
「ねぇ、ここの他の住人も紹介してよ。後、お菓子と飲み物も欲しいな〜」
……この駄女神二号が……。
「とりあえず、リビングに行こう。皆いるだろうし」
ミリンはリビングでお菓子食べてるだろうし、ナナさんはそんなミリンを付け狙ってるはずだし。
「ミリン、ナナさん、今日から一緒に暮らすレモンよ。仲良くしてあげて」
もういきなり自己紹介だ。
「レモンです。自堕落な生活希望してます」
(おいおい、なに言ってんのよ)
「えっ、自堕落? なに言ってんのよ。頭大丈夫な女神なの?」
それをミリンが言うか?
「宜しくねぇ〜、それにしてもぉ〜、可愛いわねぇ〜」
さっそくナナさんが目をつけたか。
「なんか悪寒がしたんだけど、まっそれよりミリンさん、いや、ミリンって呼ぶわね、ミリン、お菓子とジュース頂戴」
さっそくか。
しかし、馴れ馴れしい女神だ。
私の事もノゾミって言うし。
女神だから実年齢は分からないけど、見た目は私より年下だろ。
ミリンは何処からかお菓子とジュースを持ってきて馬鹿騒ぎを始めてしまった。
駄女神達は気が合うみたいだ。
(なんか頭が痛くなってきた)
「ノゾミ様!!」
そんな時、シロが部屋に飛び込んできた。
「シロ、何処に行ってたの?」
「すみません、不覚にもレモン様に縛られ、レモン様の部屋に捕まっていました」
「えっ?」
私はレモンの方を見た。
「あっ!!」
レモンはお菓子とかを持って部屋を出ていこうとした。
「レモン様!! お待ち下さい!!」
シロは何処から出したか分からないロープでレモンを縛り上げた。
「今からお説教です」
今回は同情の余地なし。
ミリンもヤバいと思ったのか、いつの間にかいなくなっていた。
ナナさんも。
「えっと、高木さん達の様子見に行かないと」
私も仕事を理由に逃げだした。
「助けてよ〜」
助けてと聞こえるが自業自得だ。
少しは遠慮と言うものを覚えてると良いけど、無理だろうな。
そう思いながら鏡の部屋に向かった。
「さて、どうなったかな? 高木勝也」
映し出されたのは、宿屋アザミの前にいる高木さんと元気君だった。
お読み頂き、ありがとうございます。
この作品を『おもしろかった!』、『続きが気になる!』と思ってくださった方はブックマーク登録や↓の『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』にして頂けたら嬉しいです。
よろしくお願いします!




