第33話 遠藤元気
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「なっ、なんで私がこんな子供の担当になるのよ!!」
ミリンが喚いている。
「なってしまったんだから仕方ないじゃない」
「私はこれから自堕落な世界するって決めたの!! それなのに担当女神とか言ったらまた仕事させられるじゃない!!」
いやいや、タダで住み着く気だったのか。
呆れを通り越して怖くなってきた。
「あの〜、いったい何が?」
「あっ、気にしないでください。えっと、高木さん、遠藤元気君に伝えてください。担当女神がつきますと」
「あっ、今聴こえました。この人がお兄ちゃんの女神様?」
えっ?
なんで今聞こえたんだろう?
「ちょっ、勝手に話しを進めないで」
ミリンは担当女神になる気はなさそうだ。
ならば……。
「エリア様に報告するわよ」
脅しだ。
それに、今回はアイさんみたいな女の人じゃないから、喧嘩にもならないだろうし。
女神らしく振る舞ってくれると思う。
「うっ、……遠藤元気と言ったかしら? 私は美しい女神ミリンです。この私が担当女神になったのだから、あなたの将来は安泰ですよ。別の世界では私のおかげで世界が救われたくらいですからね」
いや、ミリンの活躍は10%くらいじゃないかな?
まぁ、それは黙っておくけど。
「そっ、そうなんですか。美しい女神ミリン様、お願い致します。僕を導いてください」
子供だからなのか純粋な気がする。
「あら、物わかりが良い子ね。任せておきなさい」
ミリンが調子に乗っている。
「ミリン、元気君に能力とか聞いてみて」
能力が分からないと戦略の立てようがないからだ。
「えっと、遠藤元気と言ったかしら? あなたの能力を教えてくれないかしら」
「はい。僕の能力は危機感知です。自分と仲間に危険が迫った時に危険な位置が分かるんです」
危機感知センサーみたいな物かな?
「そうですか。それは凄いですね」
本当に分かってるのかな?
「ミリン、ちゃんと分かって……」
この顔は分かってない顔だ。
ミリンの顔から分からないから適当に話しを合わそうと言うのが伝わってくる。
「高木さんは分かりますか?」
ここは私がなんとかするしかない。
「あっ、はい。ここに立ってたら危険とか、この先は危ないとか正確に知らせてくれるんです。もの凄い能力だと思います。魔王との戦いでも役立つと思います」
「えっ? お兄ちゃん、魔王と戦うの?」
「そうだよ。お兄ちゃんは元気君と同じ転生者だからね」
なにか雲行きが怪しいような?
「……無理だよ」
「なんでそう思うのかな?」
「だって……」
元気君は何かを知っているようだった。
まずはその話しを聞かないと先に進めそうもない。
「ミリン、元気君に聞いてみて」
ミリンは面倒くさそうにしている。
「エリア様に」
「遠藤元気、知っている事を話してくれないでしょうか? この女神ミリンが力になりますよ」
効果抜群だ。
ミリンはこの手で大丈夫そうだ。
「……はい」
元気君は静かに口を開いてくれた……。
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