第32話 転生者探し
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新しい世界に転生者を送り出して一日が過ぎた。
「シロ、とりあえず見てみようか。どんな世界になってるかも気になるし」
高レベルな世界なのだから見ておかないと手遅れになりかねないってのもある。
「あっ、それと聞きたい事があるんだけど」
「なんでしょうか?」
これを聞いて良いか分からないけど、聞かないと気持ち悪い。
「転生者もいない世界で、この二人はなんの補佐をしてくれるの?」
私はお菓子を食い散らかし、飲み物を飲みまくるミリンと、やたら迫ってくるナナさんを見ていった。
「良くわかりませんが、エリア様には考えがあるのですよ」
「そうなのかな〜?」
とても役に立つとは思えないけど。
「とりあえず世界を見ませんと」
そう言って、シロは鏡の部屋に行ってしまった。
鏡の部屋に入り、深呼吸をしてから。
「高木勝也!!」
鏡に映し出されたのは、何処かの屋内だ。
そこには高木が誰かと話している。
「あの〜、転生者の方はいますか〜」
ズル!!
思わず滑ってしまった。
(そんなに素直に探す奴がいるかぁ〜!!)
「これは私の出番のようね」
コホン
「高木さん、高木勝也さん、聞こえますか? 女神ノゾミです」
自分で女神らしくなってきたと思えてきた。
「えっ、女神様?」
「はい、女神ノゾミです。まずは無事に転生出来たみたいで安心しました」
「はい、こっちに来てからすぐに女神様の言われた通り、他の転生者を探していました。 三人おられると聞いていますので、全員探すまで何日かかってもやり遂げます」
「あっ、そうなのですか……」
無駄にやる気溢れる青年だった。
「それで、手がかりとかはあったのですか?」
まぁ、あんな探し方してたら相手が警戒しちゃうでしょうから、何も見つかってないでしょうけど。
「はい、一人見つかりました」
「あ〜、一人見つけたのです……見つけたですって〜!!」
「ノゾミ様!!」
あまりの事で動揺してしまった。
「どうなさったのですか?」
「あっ、いえ、なんでもありません。えっとそれで、その転生者は……」
どんな人でどんな能力か気になる。
「こちらが、一時間程前に見つかった遠藤元気くんです」
高木さんの横に立っていたのは、明らかに小学生中学年くらいの男の子だった。
「この声は聞こえてる?」
「お兄ちゃん、さっきから誰と話してるの?」
「女神様だよ。聴こえない?」
「女神って、送るだけ送って、こんな怖い世界で助けてくれないあの女神?」
反論出来ない。
「えっと、それは君を転生させた女神が悪いんじゃないかな?」
高木さんがフォローしてくれている。
「そうかな〜? でも僕には聴こえないから分からないや」
「すみません、元気君には聴こえないみたいです」
「そうですか……」
何故だろう?
アイさんには普通に話せてたのに。
しかし、困った事になった。
女神とのコンタクトが取れないと、この先の連携が上手くいかないかもしれない。
ガチャ
「ノゾミ〜、今日の夕飯はステーキにしようよ〜」
「ちょっ、ミリン!! 今、女神としての仕事中なんだけど」
いきなりミリンが入ってきた。
「そんなのどうだって良いじゃない。それより、ステーキにしよ〜よ〜」
本当に駄目な女神だ。
「あっ、今聴こえたよ。ステーキって!!」
「えっ? ノゾミ様、ステーキなんて言ったのですか?」
「いえ、言ってませんが……」
言ったのはミリンだ。
これは、もしかして……。
「ミリン、この男の子も転生者なんだけど、何か話しかけてみて」
私の推測が正しければ。
「なに? 今の私はフリーよ。前の転生者であるアイはもう世界を救ったから、担当転生者はいないの。だから話しかけても無駄よ」
「なにが無駄なんですか?」
元気君は質問してきた。
「えっ?」
やっぱり。
「ミリン、あなたがこの子の担当女神になったみたいよ」
「……はっ?」
ミリンは手に持っていたお菓子を落として固まってしまった。
おそらくエリア様はこうなる事が分かっていて、ミリンとナナさんを残してくれたのだろう。
また三人で協力しろって事なのだろう。
でも、もう一人はナナさんが担当になるとして、最後の一人は誰になるのだろうか?
誰かが二人担当するのだろうか?
まぁ、それは見つかってから分かる事なので、今は深く考えないようにした。
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