第31話 新しい転生者
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「はぁ〜、先が思いやられるよ」
新人なのに高レベルの世界なんて無理がありすぎる。
社会人の時もそうだった。
新人で入社し少しした頃、嫌な上司から無茶振りの仕事を振られたものだ。
その仕事はなんとかやりきったけど……。
だが、今回の無茶振りは不可能レベルだと思う。
先輩女神が十人以上放棄してる案件だ。
それを駄女神二人画担当していた世界を救ったくらいで担当を任されるなんて。
まぁ、やるからには全力をつくしますけど。
「ノゾミ様、今回の方のプロフィールです」
前回と同じく紙をもらった。
「なになに、高木勝也、高校2年。剣道部所属。趣味、ゲーム、漫画、アニメ。夢は異世界に行く事。死因、子供を助けての交通事故」
前回のプロフィールより詳細なんですけど。
しかも、死因が凄い。
子供を助けてって所が勇敢な人物だと伺える。
さらに、夢が異世界に行く事と言うのも良い。
まぁ、普通に考えたら中二病も良いところだけど。
「ノゾミ様、そろそろ来ます」
プロフィールも読んだし、異世界に行く事が夢なら行ってくれる可能性はある。
光と共に1人の青年が現れた。
どうやら、この青年が今回のターゲットのようだ。
「えっ、ここは……」
東の時と同じ反応をしている。
「えっと、高木勝也さん。私は女神ノゾミです」
前回の反省を活かしてまずは自己紹介から。
「女神様ですか? なら僕はしんだのですね」
青年は暗い顔をしている。
死んだと分かったのだから仕方ない事だ。
「ショックを受けていると思いますが、お話をしても宜しいでしょうか?」
「……はい」
良かった。
話を聞いてもらえる。
「あなたは子供を助けて事故にあってしまったのです」
「あの〜、助けた子供はどうなったんでしょうか?」
(あっ、どうなったんだろう?)
「えっと……シロ」
小声でシロに聞いてみた。
「怪我はしているそうですが無事です」
あっ、そうなんだ。
「怪我をしていますが、無事ですよ」
シロに聞いた事を伝えた。
「なら良かったです。でっ、俺はこれからどうなるんでしょうか? この展開だともしかして異世界転生でしょうか?」
さっきまでの暗かった表情が一変してわくわくしている顔になっていた。
「話しが早くて助かります。その通りですよ。しかし、あなたが向かう世界は危機的状況の世界で救える可能性は少ないのです」
私は異世界の事を話した。
「構いません!! それが俺の運命ですので」
(あっ、これは異世界に行けるのが嬉しすぎてハイになってるな……。気持ちは分かるけど……)
「もう一度だけ聞きますが、良いのですか? 危険なんですよ? 世界を救える可能性は零に近いのですよ?」
「大丈夫です。やり遂げて見せます女神様」
やる気満々だ。
「そうですか、分かりました。ではまずは、そこのガチャガチャを回してください」
「これを回すのですか?」
「そうです。これでスキルを授かる事が出来るのです」
「分かりました。回してみます」
高木がガチャガチャのダイヤルに手をかけた瞬間、ガチャガチャの筐体が虹色に光り始めた。
「これは!!」
私の時と違う。
「これはレア確定演出ですノゾミ様」
「高木さん、レア確定演出です。回してください」
「はい!!」
レア確定は羨ましい。
私なんて女神だったんだから……。
ガチャン、コロン
カプセルが出てきた。
カプセルの色は虹色だった。
「さっ、カプセルを開けるのです」
高木勝也はカプセルを開いた。
『職業・勇者 スキル・魔法剣 スキル・身体強化10倍』
文字が目の前に現れた。
東の時と同じで、ガチャが出た途端に私の頭の中でスキルの概要が浮かんできた。
「そのスキル・魔法剣はどの魔法も剣に纏うことが出来、属性攻撃等が出来るスキルです。スキル・身体強化10倍は、自分の身体能力を10倍にするスキルです」
「凄い。スキルが二つも……、あっ……、流石レア確定ですね。スキルが二つも出ています」
素が出ていた。
「えっと、これが俺のスキル……凄い」
確かに凄い。
これならどうにかなるかも。
「高木勝也さん、異世界カラドリスに行くのです。そして、まずは残っている転生者を探すのです」
「分かりました。必ず世界を救います」
「高木勝也さん、そこに立って動かないでください、貴方の冒険に幸あらん事を……」
勝也さんの周りが光りだした。
「転送!!」
勝也さんは光に包まれ消えてしまった。
これで勝也さんは異世界に行けたのだろうか?
「お疲れ様でしたノゾミ様」
「ありがとうシロ」
「さっそくですが今回のノゾミ様ですが、70点です」
70点なら及第点だろうか?
「途中までは良かったのですが、スキルが出てからの言葉遣いがダメでした。あそこが完璧でしたら100点をあげても良かったのです」
そこだけで、減点30なのか。
まぁ、それでも70点は嬉しかった。
さて、ここからは高木勝也さんのサポートを頑張らないといけない。
世界を救わないと。
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