第28話 昇格
二章開始です。
宜しくお願い致します。
「急に呼び出しってなんだろう?」
私達は特級女神エリア様の呼び出しで女神管理組合に来ていた。
「そんなの決まってるわよ。私の活躍によって、世界は救われたのよ。私が女神に戻る時が来たのよ!!」
ドヤ顔で言われてるけど、絶対に違うと思う。
「私にぃ〜、ノゾミちゃんとぉ〜、ミリンちゃんを〜、くれるって話しじゃないかなぁ〜」
そんな話だったら全力で断らないと。
「世界を救った件なのは間違いないですね。おそらく次の世界の話だと思います」
「えっ、次の世界って?」
「別の異世界の事です。あっ、ノゾミ様にはお話していませんでしたか。申し訳ございません。異世界を救えば女神ランクが上がるのはご存知ですよね?」
女神ランクが上がる?
そういえば……。
[更にその異世界を救う事が出来れば、女神ランクが上がります]
以前ガイド天使からそう言われた覚えがある。
「その異世界を救う行為を繰り返して女神ランクを上げていくのです。九級女神なら、アルスアリスと大差ない世界なはずですので、あの世界を救ったノゾミ様でしたら可能なはずです」
受付をすませ、奥の転送装置から最上階に上がった。
「特級女神エリア様、お世話妖精シロ、女神ノゾミ、女神補佐ミリン、女神ナナ参りました」
奥で座っているエリア様がいた。
「よく来てくれました。さっ、こちらに」
私達は部屋に用意されていた椅子に腰掛けた。
飲み物やお菓子まで用意されていたので、ミリンがさっそく食べ始めてしまった。
「……えっと、すみません」
何故か謝りたくなった。
「気にしないで食べてください。ミリンには後で個別に話しますから」
笑顔で圧をかけてきている。
そんな圧に気がついたのか、ミリンが背筋を伸ばし、真面目なら表情をした。
「それで、バ……いやエリア様、なんのご用事でしょうか?」
今、ミリンはババアって言おうとしたな。
「勿論、アルスアリスの世界を救ってくれた件でお呼びしました」
やっぱりそうだったのか。
(ミリンの発言についてはスルーなのかな?)
「ミリンさんについては後で話すとして、まずは、アルスアリスを救っていただきありがとうございます」
(あっ、後であるのか)
「いえ、社会人として当然の事で……、ってもう社会人じゃなかった!! えっと……女神としての当然で……す……」
穴があったら入りたい。
まだブラック会社の時の癖が抜けてないなんて……。
「あなたは元人間ですから仕方ありませんよ。それでも駄女神二人が放置していた世界を救った事は女神界内でも騒がれてますよ」
(あ〜、やっぱり駄女神なのか)
「そうなんですか?」
「ええ、それでさっそくなのですが、女神ノゾミ」
「はい」
私は立ち上がった。
「女神ノゾミを特級女神エリアの名の下に第九級女神に昇格いたします」
「ありがとうございます」
昇格はやっぱり嬉しいものだ。
会社での昇格も嬉しかったし。
「あの、私は?」
ミリンも手を挙げて聞いてきた。
「あなたにはお説教と言うものを、後であげますよ」
また圧が放たれた。
「……すみません、すみません、それだけはご勘弁を……」
ミリンが謝りまくっている。
「い〜え、ダメです」
ミリンは諦めたのか、お菓子を食べまくり始めた。
これから始まる説教の前のやけ食いだろうか……。
「それならぁ〜、私はぁ〜」
ナナさんもか……。
「女神ナナ、昇格はノゾミだけですよ。しかし、あなたには女神ノゾミと生活を共にし、女神ノゾミのフォローを続けてください」
エリア様、なんて事を言うのだ。
身の危険を感じる。
「分かりましたぁ〜」
ナナさんは私を見てニコって笑った。
それがまた危険を感じた。
「それで、女神ノゾミ。次の世界についてですが」
女神ノゾミが一枚紙をシロに手渡した。
「……ちょ、エリア様、正気ですか!!」
珍しくシロが慌てている。
何が書いてあったのだろうか?
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