第25話 決戦魔王城3(転生者チーム視点)
本日更新分です。
宜しくお願い致します。
「とにかくなんとかしないと……、東さん立って!! 後後ろは見ない事!!」
とりあえず体勢を整えないと。
「って、後ろ見るなって言ったよね!!」
「もういやぁ〜!!」
エロ東は振り返り、汗でスケスケになったアイさんをじっとりとした目で見ている。
「みんな見るな〜!!」
その時、アイさんのなにかが弾けた。
アイさんの身体から、高密度な緑の光が現れ、一瞬で魔王城全体を包みこんでしまった。
そして、その緑の光は服の代わりもこなしていた。
「これは? ミリン分かる?」
ミリンは理由のわからない顔をしている。
当然か。
ミリンに分かるわけがなかったのだ。
少しでも期待した私が馬鹿だった。
「シロ、分かる?」
「はい、これはオーバーヒールと思われます」
「オーバーヒール?」
過度な回復魔法なのかな?
「オーバーヒールとは、自分以外、全て物を正常値に戻す事が出来るのです。 熱くなった部屋を適温に戻したり、怪我や体力を戻したり出来ます。 更に、魔の者には大ダメージを与える効果もあります」
それって、ゲームとかである白魔法をアンデット系に使うとダメージが与えられるとか言うのと同じって事か。
って、魔王はアンデットじゃないよね?
ならなんでダメージ?
まぁ、深く考えないようにしよう。
「でも、これなら!! 東さん、行って!! それとナナさん、鈴木さんに全力のバフとデバフをお願いし……」
言われる前に、鈴木さんは動いていた。
流石、出来る冒険者は違う。
「はぁはぁ、これでもう魔法力切れよ。 東さん、倒しちゃいなさい」
鈴木さんの激励が飛んだ。
「変態東、やっちゃいなさい」
アイさんも東を応援している。
しかし、魔王にはまだ魔王剣がある。
「どんなに応援されても、我が魔王剣の前では霞も同然よ!! 見よ、この魔王剣を……ってなんだ!!」
魔王剣は錆びていた。
「今まだ!!」
東は全力でジャンプした。
ありえない高さまで飛び上がり、魔王目掛けて剣を振り下ろす。
「東縦一穿」
なんか技名叫んでるし。
しかも、かっこ悪い名前。
ネーミングセンスなし。
「錆びても魔王剣を舐めるな!!」
下から魔王も剣を振り上げる。
しかし、デバフがかかっている魔王と錆びた剣で強化した東の剣を防ぐ事ができなかった。
魔王剣は砕け、魔王も今度こそ、真っ二つになった。
「ぐはぁ!! まっ、まさか、我を倒すとはな……、しかし、このままでは……ぐぁぁぁぁ」
何かを言いかけて魔王は爆発した。
「やった〜、俺の勝利だ〜!!」
「俺のじゃなくて、皆の勝利ですよ」
調子に乗った東に訂正してみた。
しかし、この男はそれでも調子こきまくっている。
よくこのパーティーで魔王を倒せたものだ……。
奇跡としか言えない気がする……。
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