第24話 決戦魔王城2(転生者チーム視点)
本日更新分です。
「一瞬で終わらせてやる!!」
東が魔王に突っ込んでいった。
「東さん、焦ってはいけません!!」
「えっ、この声は女神様?」
「はい、女神ノゾミです。協力して魔王を討伐しましょう」
とりあえず、東の先走りは止められた。
まだ魔王ケトルには技もあるし、無策な突進は危険だ。
「ふっはは、なんだ、気でも触れたか? 独り言など言うとは!!」
魔王には私の声が聞こえないから当然の反応だ。
「今回は私の声は東さんにしか聴こえません。他の人も、担当女神から指示が出るはずだから頑張って」
そう言っては見たが……。
「なんなのよ!! この私が指示だしてんだから従いなさいよ!!」
「なんですって!! あんたみたいな駄女神の指示なんてきいたら、一瞬でやられちゃうじゃない」
恐れていた事が起こっていた。
しかも……。
「鈴木さぁん〜、あなたは優秀なんだからぁ〜、とにかく頑張るのよぉ〜」
ナナさんは完全に丸投げ状態だ。
「なっ、なんなのだ!! この魔王を無視していったい何をしているんだ!! もう容赦はしない!! 熱霧!!」
魔王の身体から霧が発生してきた。
「ヤバい!! あれは高温の霧よ!! あれが魔王城中に広がったら、一瞬で体力を奪われるわ!! 東さん、止めるのよ」
「止めるって、どうやって?」
東はオドオドしていた。
「あ〜、ミリン!! アイさんに東に継続回復魔法をかけてって伝えて!! ナナさんは、鈴木さんに東に強化魔法を!! 東さん、あなたは魔王に頭上から両断して、さぁ、行くのよ!!」
「行くって!! 明らかにヤバい感じですよ……」
「勝って願いを叶えるんでしょうが!!」
ちょっと強い口調になってしまった。
「はっ、はい〜」
東は魔王に突進した。
しかし、そのやり取りの間も熱霧と言う技は魔王城を包み込もうとしていた。
アイさんは熱で汗だく状態になっていた。
服も透けているような気がする。
これは東が気が付かないようにしないといけない。
「ミリン!!」
「分かってるわよ!! アイ!! 決着は後回しよ!! とにかく急いで変態に継続復を!! 急いで!!!!」
最後の言葉が大声だったからか、アイさんはびっくりしていた。
しかし、すぐに継続回復を東にかけてくれた。
「これで良いんでしょ!! 駄女神はこれが終わったら覚悟しなさい!!」
そんなに挑発しなくても……。
でもこれで継続回復はオッケーだ。
「良かった。次はナナさん!!」
「はぁ〜い、鈴木さぁ〜ん、東さんに強化を〜、それとぉ〜、魔王に固定化もお願い〜」
固定化?
なにそれ?
「了解〜」
東に強化魔法がかかった。
さっきまでの東のスピードじゃない。
「それと……」
「うぉ!! 身体が固まる……。なんだこれは?」
「私の切り札、固定化よ!! 液体や霧、水等を数秒間固体に出来るのよ」
そんな便利魔法があったのか……。
この魔王の為だけのご都合魔法な気もするけど……。
「魔王ケトル!! 覚悟!! 俺のハーレムの為に……、ハーレム斬!!」
「……ハーレム斬ってなに?」
呆れを通り越してドン引きなんですけど……。
「ぐぁぁ!!」
東の攻撃は魔王を切り裂いた。
しかし、予定通りではなく、右腕を切り落としただけだった。
「何してるんですか、私は頭上からと言いましたよ」
「そんな……、この視界じゃ無理ですよ。それに怖いですし……」
怖いって今更じゃ?
そう思ったけど、今は戦闘中。
「なら、そこから連撃で」
「はい」
東は剣を薙ぎ払うようにふった。
キーン
しかし、何かにぶつかったような音がした。
「良くも、我が腕を!! もう許さん!! この魔王剣のサビにしてくれるは!!」
「えっと、魔王剣っと……」
メモを見返してみる。
[魔王ケトルの奥の手、魔王剣。 魔王ケトルの生命力を使い、どこまでも強くなる魔剣。 如何なる物でも切断出来ない無敵な剣。この剣を使う前に倒し切る事を推奨する]
「……ヤバ」
東は剣がぶつかった衝撃で転んでるし、アイさんは服が透けてるのに気がついてうずくまってるし、鈴木さんは熱くないのか平気な顔をしているけど、見ているだけだ。
「これって、絶対絶命なんじゃ……」
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