第22話 ライブ中継
本日更新分です。
宜しくお願い致します。
「ノゾミ様、転生者達なのですが、あれから順調のようです」
3人が集まって早一週間がたっていた。
「そうなの? てか、なんで知ってるの?」
「ノゾミ様もミリン様もナナ様も見ていなかったので見てました」
シロはちょくちょく3人を見ていてくれていたらしい。
まぁ、見る暇がなかったのけど……。
毎日来る、ナナさんを私とミリンが撃退を試みるも失敗。
絶妙なタイミングでシロに助けてもらう毎日が続いていたからだ。
でも、今日は大丈夫。
用事か何かでナナさんは出かけているからだ。
ミリンはナナさんがいない事で安心したのか、リビングでテレビ見ながらお菓子を食べる生活をしているけど……。
「さて、久しぶりに見てみますか」
私とシロは大鏡の前に来た。
「さて……」
「待ってください」
東の名前を呼ぼうとしたら、シロに止められてしまった。
「今日はライブ中継モードにしましょう」
「ライブ中継モード?」
ライブ中継って事は見るだけって事なのかな?
「話しかけられない、見守るだけのシステムです」
予想通りだ。
「そんなのあったんだ」
「はい、ライブ中継モードで3人を見てましたし、このモードは名前を言う必要がないので、私でも操作出来るのです」
話しかけるのは、女神が名前を言う必要があるけど、ライブ中継モードは違うのか。
まぁ、大型のテレビ中継を見るって感じのだろう。
「ではさっそく」
大鏡に何かが映し出されてきた。
大鏡に映ったのは、魔物と戦う3人の姿だった。
「凄い、ちゃんと戦ってるじゃん」
東を前衛にし、アイさんと鈴木さんが後衛みたいだ。
鈴木さんが常に何かをしている感じがする。
「シロ、鈴木さんは何しているか分かる?」
シロなら分かるかもと思い聞いてみた。
「はい、あれは、2人に全強化バフを与え、敵にも全強化デバフをかけています」
「……なにそのチート……」
超強のババの二つ名は伊達じゃないって事なのか。
戦闘もスムーズに行われていて良いチームに見えた。
しかし、羨ましい。
本当は東じゃなくて、私がここで戦ってたはずなのに……。
そしたら、女3人のパーティーになる。
「勇者ノゾミ見参!! な〜んちゃって……」
「ノゾミ様、いくらあちらに聴こえないからと言ってそれはどうかと思います……」
(しまった……ついテンションが上がってやってしまった……)
「ははは……」
ここは笑ってやり過ごす作戦だ。
「ところでシロ、3人は今どのくらい攻略してるの?」
一週間だからゲームで言う所の中盤くらいだろうか?
「それでしたら丁度良いタイミングです。 大鏡をご覧ください」
シロに言われて大鏡を見ると、巨大なお城が映し出されていた。
「立派なお城だね〜、王都かなにか?」
「魔王城です」
「そっか〜、魔王城かぁ〜、……ん? 魔王城?」
魔王城って、魔王がいるお城の事のはず。
「はい、魔王城です。 3人はもう魔王討伐目前まで来ているのです」
「……落差激しすぎでしょ!! なんなのこの急展開は!! ちょっと前まで冒険にも出てなかった人達だよ!! おかしいでしょ!!」
引きこもりの変態剣士に、ウェイトレスのヒーラー、この二人に、二つ名持ちの最強支援職を加えただけでこんなに早く魔王城に辿り着くなんて。
(まぁ、驚いたけど、これからが肝心よ)
「さて、魔王城に到着しましたので他の女神様も及びして、戦いを見守ります」
そう言ってシロは部屋を出ていった。
(頑張って三人共……)
いろいろツッコミはあるけど、死んでほしくはない。
なんとか無事に魔王を倒して欲しい所だ。
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