第20話 3人の共同生活は危険がいっぱい(後編)
本日更新分です。
宜しくお願い致します。
「ふんふんふ〜ん、ふふふ〜ん、ふふ」
なんか鼻歌のような物が聞こえる。
(あれ、私いつの間にねちゃったんだっけ? 確か、ナナさんに抱き締められたら眠くなって……)
「ナナさん!!」
私は勢いよく目を開けた。
「ってなにこれ!!」
私はベッドの上で、身体を縛られていた。
身動きが取れない。
横を見るとミリンも縛られて寝かされていた。
「あらぁ〜、起きたのねぇ〜」
「どういうつもりですか!! 縄をほどいてください!!」
シロも見当たらないし、正直怖いけどここは引いたらダメだ。
ミリンも起きそうもないし。
「ムニャムニャ」
(うん、期待するだけ無駄だ)
完全に寝ている使えない女神補佐はほっといて、ナナさんと交渉しないといけない。
「丁度ぉ〜、準備が出来た所だったのぉ〜」
「準備?」
まさか、このまま私が持っている薄い本みたいな展開に!!
(そんなの困る!! 初めては海の見える白い家で、お互い愛しあっている可愛い系の男子との予定なんだから!! って女神になってるからそれは無理か……、ってそんな場合じゃない〜)
自分の中でツッコミが追いつかないくらいパニックになっていた。
「ふふふ」
ナナさんがジワリジワリと迫ってくる。
「ああ……」
(もうダメだぁ〜)
私は目をつぶった。
「じゃあ〜ん、これよぉ〜」
「えっ?」
私は目を開けて確認してみた。
ナナさんは衣装室から持ってきたと思われる大量の衣装を持っていた。
「……えっと……それは……ってか、そんなに大量な服を何処に持っていたんです?」
「さあぁ〜、お着替えよぉ〜」
ナナさんは強引に服を着替えさせてきた。
「きゃ〜、可愛いわねぇ〜」
ゴスロリの服を着せられてしまった。
縄は解いてくれたけど、なんなのこれは……?
「はぁはぁ、素敵よぉ〜」
私の次は寝ているミリンがナナさんの餌食になった。
ミリンはナース服だった。
「こっちも可愛いわぁ〜」
「えっと……これは……」
「次はこれよぉ〜」
ナナは次と私達を着せ替え人形の如く、着せ替えしていった。
チャイナ服、ビキニ、着物、婦人警官、巫女服、セーラー服等いろいろだった。
「えっと、ナナさんは着せ替えマニア……なの?」
(襲われるって思った自分が嫌になる……)
でもあの状態なれ誰だってそう思うだろう。
それに、あながち間違ってもいない気がする。
ナナさんを見ると、ハァハァしているし、涎も垂れている。
かなりの興奮状態だ。
「あ〜、もう我慢が出来ないわぁ〜、ノゾミちゃ〜ん、ミリンちゃ〜ん」
ナナさんが私達目掛けて飛びかかってきた。
「えい!!」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
ドサ
「ふぅ、間に合いましたね」
止めてくれたのはシロだった。
「シロ〜!!」
私はシロに駆け寄った。
「シロ、その手にあるのは?」
「ああ、これは女神スタンガンです、もしもの時にと思い女神通販で予約してました。先程届いたのですが、こんなにも早く利用するとは思いませんでした」
女神通販?
そんなのあるのか。
この女神世界は私の元の世界に影響されまくりでしょ。
「さて、私はナナさんを部屋に連れていきます」
そう言って、シロはナナさんを連れて行った。
「ん〜、なんなのよ〜、私の眠りの邪魔しないでよ〜」
(今頃起きたのか、この使えない女神補佐が)
って思ったけど、口には出しません。
「もう、ミリンが寝ている間、大変だったんだから!!」
私は今あった事を説明した。
流石のミリンも恐怖したのだろう。
ナナさんを警戒するようにしたようだ。
とりあえず、対ナナさんとして、ミリンと共同戦線をはることになった。
(てかこの先、転生者の顔合わせもあるのに、こんな事になって……)
前途多難とはこんな事を言うのだろうか?
先行きが不安でたまらなかった。
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