第187話 お風呂の後は
本日更新分です。
宜しくお願い致します。
漫画が大好きなので、夢は大きく書籍化です。
感想や評価頂けたら励みになりますので宜しくお願い致します。
アンリちゃんのおかげでお風呂の平穏は約束された。
しかし、まだ夜はこれからだ。
「気持ちよかったわねぇ〜」
「そうですね」
確かに温泉は素晴らしかった。
疲れも取れたし、肌も綺麗になった気がする。
かなりの効能がある温泉で、普段は使用禁止と言うのも納得が出来る。
この温泉を大々的に告知してしまうと、殺到してしまうだろうから。
「さて、後は部屋に戻って寝るだけよね?」
さり気なく解散を匂わさせてみた。
「まだよぉ〜、夜はこれからなんだからぁ〜」
うっ、やっぱりまだ何かあるの?
「ほらぁ〜、あそこを見てぇ〜」
ナナさんが指差した方を見ると、懐かしい物が置かれていた。
卓球台だった。
(なんで、ここに卓球台が? 本当にここが女神神界なのか、疑いたい時が多すぎる……)
「卓球ですね」
則子さん、そんな単調に言わなくても……。
「やった事ないけどぉ〜、やりましょ〜」
ないのか!!
でも、私もあまりやった事はないから、久しぶりの相手としては良いのかな?
って何このオーラは!!
則子さんから強者のオーラを感じた。
「あの〜、則子さん?」
「はい、なんでしょうか?」
「もしかして、卓球好きなんですか?」
とりあえず当たり障りのない感じで聞いてみた。
「実は幼少の時からの趣味でして……、大会にも何度か出た事があります」
大会!!
この感じだともしかして優勝とか?
……まさかね。
のんびり雰囲気の則子さんがね……。
「そうねぇ〜、ならぁ〜、ダブルスが良いわねぇ〜」
「あれ? ナナさん、やった事ないんじゃ?」
「ルールくらいわぁ〜、知ってるわよぉ〜」
そうなんですか。
「あの……、私、ルールも分かりません」
アンリちゃんはそうだろう。
異世界出身だもの、仕方ない。
「なら、私がアンリちゃんと組みます。パートナーですから」
そう言って、則子さんはアンリちゃんと組んでしまった。
強制的に私はナナさんと組む事になってしまった。
まぁ、卓球だから、怖い事にはならないだろうけど。
「さてぇ〜、やりましょ〜」
台だけではなく、ラケットやボールも準備してあった。
お互いに位置に着き、ナナさんからのサーブだ。
「えぇいぃ〜」
パコン
ナナさんが打った玉はコーナーギリギリの所を目掛けて進んでいった。
初心者でそこに打ち込むなんて凄い。
シュパン!!
「えっ?」
何か音がした瞬間に玉は私達の手前でバウンドし、後方に飛んでいった。
凄い速さで反応出来ないくらいだ。
「……えっと、則子さ……ん?」
「はい」
満面の笑顔で応える則子さん。
「いえ、なんでもないです……」
その後の卓球は則子さん無双になった事は言うまでもない。
そして則子さんと二度と卓球をしてはならないと全メンバーが思ったのだった。
お読み頂き、ありがとうございます。
この作品を『おもしろかった!』、『続きが気になる!』と思ってくださった方はブックマーク登録や↓の『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』にして頂けたら嬉しいです。
よろしくお願いします!




