第184話 貸切
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豪華過ぎる料理でお腹も膨れて幸せ気分なんだけど、なんでこれから地獄に落ちないと行けないの?
温泉に向かう足取りが重い。
「あっ、ノゾミ様御一行様ですよね? もしかしまして、大浴場に行かれるのですか?」
「はい、そうですけど」
(出来れば行きたくないんだけど……、個室でゆっくり入れたら気も楽なんだよね)
「やはりそうでしたか、ノゾミ様御一行には特別温泉の貸切許可が出ております」
特別温泉?
貸切?
「特別ってどんなのなのよ?」
ミリンが質問している。
しかし、そこは聞かなくても良いんじゃないかな?
「はい、この女神リゾートは元は温泉が出た事で発展した地域なんですよ」
女神神界でもそんな事あるんだ。
てっきり、女神的なパワーで発展したんだと思ってた。
「それで、最初に湧いた温泉に入った者の病気や怪我等を回復させる効能があったんですが、女神神界上部に報告した所、特別な時以外の仕様を禁止されてしまったのです。それ以降は、その後に出た温泉で経営してますが、効能はかなり落ちてるんです。そして、その最初の温泉の使用許可が降りましたので、ノゾミ様御一行を案内したいと思い、声をかけさせてもらいました」
なんで禁止にしたんだろう?
そんなに回復効果があれば最高の目玉になると思うのに?
まぁ、上の考える事が分からないのはどの世界でも同じか……。
元の世界でも上司の考えが分からなかったし。
(効率重視とか言ってたけど、絶対に私が考えたやり方の方が効率的だったと思うんだけどなぁ〜、って、また元の世界の事考えてた!!)
もう女神なんだから、社畜根性は抜かないと。
「それはぁ〜、つまりぃ〜、貸切って事よねぇ〜」
目を逸らしたい事実を聞かないで!!
「はい、お泊まりの間は好きに利用出来、ノゾミ様御一行以外の方が入浴される事はございません」
「分かったわぁ〜、さぁ皆行きましょうねぇ〜」
凄い軽やかなステップで進んでいくナナさん。
それを見て、私の足が更に重くなったのは言うまでもない。
「あっ、私は後で入ろうかな?」
「私もそうしようかな?」
(ちょっ、ミリンにレモン!! 何考えてるのよ!! こっちは断れないんだから助けてよ!!)
ミリンとレモンの表情が、頑張ってくれって顔をしている。
頑張ってじゃない〜!!
「じゃあ、またね〜!!」
二人は逃げるように去ってしまった。
「残念ねぇ〜、でもぉ〜、まだチャンスはあるのよぉ〜!!」
ナナさんが燃えている。
恐ろしい。
結局、私、ナナさん、アンリちゃん、シロの四人で温泉に向かう事になってしまった。
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