第169話 この世界にも魔王がいた、そして……
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ニュムペーを倒して先に進んでいる三人。
なかなか、ペルセポネーに出会えない。
「ここにいるはずなのに……。エリア様、どう思います?」
「必ずいるはずなのです。気を抜かないように……。現場の三人が見落としても、私達が見つけられれば良いのですから」
ん?
それは三人を信じていないって事では?
まぁ、良いか。
いくつかの部屋を通過して暫く歩くて、かなり広い部屋に出た。
奥に玉座のような物もある。
どうやら、最奥の部屋らしい。
「気をつけなさい!! 玉座の後ろに誰かいます!!」
エリア様は玉座の後ろに誰かを見たようだ。
ペルセポネーか?
「そこいる者!! 姿をあらわしなさい!! 我名は麗しの女神ミリン、人は知性と美貌の女神と呼ぶわ!!」
…………。
どの口が言うんだろう?
怠け者の女神なら分かるけど……。
玉座の後ろから、可愛らしい角を生やした女の子が姿をあらわした。
「……誰?」
こんな子がなんでこんな場所に……。
「来ないで……、罠……」
今、はっきり聴こえた。
小さな声ではあったが、女の子は罠って言った。
つまり……。
「ペルセポネーね!! どうせ聴こえてるんでしょ!! 姿をあらわしなさい!!」
ペルセポネーには恨みがある。
私が異世界の冒険をするチャンスを無くしてくれた恨みが。
「何処にいるの!! 出て来なさいって言ってるのよ!!」
私が大声を上げているので、シロ、エリア様、則子さん、アンリちゃんが驚いている。
もちろん、ミリン達も。
「くっくっく、威勢の良いやつだ……」
聞き覚えのある声。
私が忘れるはずがない声。
「ペルセポネー!!」
ペルセポネーは女の子の頭上を現れた。
「出て来たわね!! ミリン、ナナさん、レモン、徹底的にやっちゃって!!」
「女神ノゾミ、女の子はどうするのですか?」
あっ、そうだった。
ペルセポネーの事で頭がいっぱいだった。
「おやおや、外野の女神共は、こいつが気になるのか?」
「その子は誰なんですか? 答えない、ペルセポネー!!」
「おっ、その声は特級女神様ではないですかね? 私の攻撃で一番最初に戻されたマヌケな 特級女神様!!」
ちょっ、エリア様を挑発しないで。
エリア様を見ると、手が震えている。
(うわぁ、ヤバい!!)
「それは私が一番怖かったからではないのですか? 臆病者な神ですね。オホホ」
怖い。
「くっ、減らず口が!! まぁ良い、こいつらこの世界の魔王様ですよ!!」
「魔王!!」
この世界にも魔王が居たんだ。
ペルセポネーとかの神しかいないと思っていた。
「きゃ」
ペルセポネーが魔王の女の子を殴り飛ばした。
魔王の女の子は玉座に叩きつけられてしまった。
「なにを!!」
「こいつは、罠だとバラしてしまった。だからお仕置きをするのだ!!」
お仕置きって……。
魔王はペルセポネーの仲間じゃないの?
「ん? そこにいるのは誰だ!!」
ペルセポネーが急に玉座に向かって声を上げた。
誰かいるの?
魔王の女の子しかいないように見えるけど。
ペルセポネーの声に反応するように、玉座の後ろから一人の人が姿を現した。
こいつは……。
「黒いフードの剣士!!」
暫く姿を見なかったけど、こんな所にいたのか。
「何者だ!!」
「ふっ、女の子は大事にしろと習わなかったのか?」
そう言って黒いフードの剣士はペルセポネーを向けた。
「くっ、ただ者ではないな!! 少なくてもそこで唖然としている雑魚女神共なんかよりも強い力を持っているな」
「女の子を大事にしない者は斬る……、と言いたいが、俺はこの子を連れて行く……」
なんだって!!
この剣士はまた女の子を連れ去る気か!!
フユコさんに、魔王シキに続いて三人目だ。
ハーレムでも作る気なのか?
ん?
何か引っかかる?
「行こう!!」
黒いフードの剣士は、魔王の女の子に手を差し出した。
「させるか!!」
ペルセポネーが攻撃しかけた。
しかし、魔王の女の子が黒いフードの剣士の手をとると、すぐに二人は消えてしまった。
いったいなんだったのだろう?
いつか判明させないといけないだろうけど、今は……。
攻撃をスカされて怒っているおバカさんを倒す事が先決だ!!
「三人共、しっかりして!! 最終決戦だよ!!」
何処か置いてけぼりだった三人に声をかけて、戦闘態勢をとらせた。
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