第13話 相談
本日更新分です
「あの〜、ミリン先輩〜」
私はあえて先輩呼びをしてみた。
「なに? 私は今、お菓子とテレビで忙しいんだけど」
(それを忙しいと言うか、この駄女神が)
……と思ったのは内緒にしてっと。
「東とアイさんなんだけど、全然攻略してくれてなかったんです」
ハッキリと2人の状況を伝えた。
「はぁ〜、あれだけ私から頼まれたのにやってないですって〜、文句言ってやるわ!!」
ミリンは立ち上がり、鏡の部屋に行こうとしている。
「ちょっ、ちょっと待ってください!!」
私は全力でミリンを引き止めた。
「持たないわよ!! そんなんで待ったら、女神が廃るわ」
女神が廃る?
初めて聞く。
しかし、この女神に廃るもなにもない気がする。
だって、最初から廃ってると思うから……。
「とっ、とにかく待ってください。このまま話してもまたダメなだけです」
「じゃあ、なにか考えがあるの?」
それを先輩女神であるミリンに聞きに来たのにそれを言うか。
「いや、それを話しあおうと思って来たんですけど……」
「はぁ……、もう良いわ……、お腹すいたし」
またソファで横になり、お菓子を食べ始めてしまった。
更にテレビまでつけるし……。
「あの、なにかないですか? 先輩女神としてのアドバイスなんか……」
豚もおだてればなんとかってことわざがあった気もするし……。
「先輩ねぇ〜、あっ、そう言えば私の先輩女神がいたような……、もうかなり前だから忘れてたわ」
ミリンの先輩女神?
「あの先輩は最低の女神なのよね、この私にいきなり仕事押し付けて、自分は呑気にすごしてるんだから」
ん?
それはミリンも一緒なのでは?
まぁ、それは一回頭の隅にでも置いておいて……。
「その先輩も、アルスアリスの世界に勇者を送ってるはずよね、多分だけど……」
他にも転生者がいるのか。
それなら3人になるし希望が……いや持てないか……。
そんな前から異世界に行って、攻略してないくらいだもんね。
引きこもりか、別の仕事をしているかとかだろう……きっと……。
正直、少しだけでも良いから冒険して、いつかは魔王を倒すと言う気持ちだけは持っていて欲しいけど……。
「それで、その先輩女神は何処にいるんです?」
「ん〜、分かんない〜、ポリ」
ポテトチップスを食べながら言う姿勢にイライラしてきた。
しかし、諦めるわけにはいかない。
「なら、知っている人はいないんですか?」
藁にもすがる思いで聞いている。
「ん〜、あっ、ババアなら知ってるかも……」
ババア?
えっと、確か、特級女神のエリア様だったかな?
「ババアなら、女神管理組合の方にいるはずだから行ってみれば……、私はここを管理しておくから」
管理?
ただのサボりでしょ?
お菓子食べて、テレビ見て、眠くなったら寝る……、羨ましいかぎりだ。
「えっと、シロ、女神管理組合に行きたいんだけど……」
「はい、私もちょうど行こうと思っていました」
「えっ? シロも?」
「はい」
何故かミリンを見ながら返事をするシロ。
でも、行くと言うならちょうどいい。
「なら、早速行こう」
「はい」
私とシロは女神管理組合に向かうことにした。
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