第116話 則子さんの願い
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魔王が討伐された。
それも城ごとの討伐だ。
あまりの出来事に理解が追いつかないけど、世界が救われたのは確かだ。
「則子さん、改めておめでとうございます。こんな討伐方法があったなんて凄いです」
「ありがとうございます。怖いので、お城ごと倒せないかな〜って思ったら出来ちゃいました」
そんな思いつきで倒される魔王って……。
しかも魔王の姿も見てないのに。
魔王に少し同情してしまう。
「アンリちゃんにもおめでとうって伝えてね」
アンリちゃんも全力で頑張ったんだから褒めてあげないと。
でも、報酬の願いを叶えられるのは則子さんだけなんだよね。
アンリちゃんにはなにもしてあげられないのが心苦しい。
「さて、女神様のお願いも終わりましたし、町でのんびり暮らしますか、アンリちゃんと一緒に」
アンリちゃんが凄く嬉しそうな顔をしている。
町に行く前にお願いを聞いておかないと。
「あの〜、則子さん、魔王討伐に成功したら、なんでも一つお願いを聞けるの覚えてます?」
魔王討伐の前日にその事を則子さんに話していたのだ。
「あっ、忘れてました。必死だったもので……」
忘れてたのか。
「では改めて、転生者則子さん!! あなたの望を聞かせてください」
これは少し女神らしいかな?
「はい、私の願いは私とアンリちゃんが、女神様のお手伝いをこれからもさせてください!!」
「えっ? それで良いの?」
嬉しいけど、倒したのは則子さんなんだから、もっと自分の為の願いをしても良いのに。
「もっとあるんじゃないの? 例えば美味しい物を食べたいとか?」
あっ、それはミリンの願いか……。
前の転生者の高木さんと良い、則子さんと良い良い子だ。
まぁ、高木さんの場合は例外かもしれないけど。
東さん以外は自分以外の事を思っての願いだ。
私なら、趣味の本を読みきれないほど貰うとか言うかも知れないのに。
「叶えられませんか?」
「あ、いや、大丈夫だと思うよ」
まぁ、則子さんがそれで良いって言うなら……。
私は祈りを捧げた。
「えっ!! なに!!」
「うぁ!! 則子お姉ちゃん、身体が光ってるよ!!」
見ると、則子さんとアンリちゃんの身体が光っていた。
そして、光の輝きはどんどん強くなり、次の瞬間、二人は消えてしまった。
「えっ? なんで? 二人は何処に行ったの?」
則子さん達が消えた瞬間、大鏡はなにも映し出さない。
「長塚則子!! 長塚則子!!」
いくら呼びかけても大鏡は反応しない。
「そんな……、私がなにかミスをして、則子さんとアンリちゃんに大変事をしちゃったんじゃ……」
消えた二人が心配だ。
ここはエリア様に相談して……。
「まぶし!!」
いきなり目の前に凄い光が飛び込んできた。
「なんなのよ〜」
目が眩む光だったが、しだいに収まってきた。
「あれ? ここは?」
聞き覚えがある声だ。
目を開けてみるとそこには、則子さんとアンリちゃんの二人が立っていた。
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