表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/85

勇者タラカーン 1

「本当に頭にくる!」タラカーンは仕留めたモンスターの素材を蹴って言った。


「おい、折角集めた素材だろうが。使い物にならなくなる」大剣使い・ムナガノーシカはうんざりしたように言った。


「この程度の素材なんて二束三文にしかならない」


「じゃあなんでクエスト依頼を受けたのよ」ズミヤもまた疲れ切ったように呟いた。いつもの事とはいえタラカーンの愚痴にうんざりしていたからだ。


「こんな雑魚しかいないとはな。もっと大物がいると睨んでいた」


「フィールドクエストは運だからな。敷地内のモンスターを狩るだけだが報酬はモンスターの個数による歩合だから」ムナガノーシカは懐から取り出した短剣でモンスターから牙や角を切り落としていく。「クソッ。こんな作業はアポスの役割なんだが」


「だったらドラゴンでも狩る? クエストを掲示板で見たわよ。報償金も桁違いだった」


「ドラゴンなんて相手にしたら死んでしまいます」とパウークは心底恐怖して言った。


「ドラゴンか」タラカーンは顎に手をあてて考え出す。「ここからクエスト依頼も出来るよな?」


「テイムした鳥に依頼内容をギルドに届ければおそらく」ズミヤは不思議そうに言った。


「ではドラゴン退治の依頼を受諾するとギルドに送ってくれ」


「何を言っているんだ! 俺たちではまだ無理だ!」ムナガノーシカは素材を剥ぎ取る手を止めて叫んだ。「それにこの後は遠征クエストもあるだろう?」


「落ち着け。依頼を受けるのは俺たちじゃない。アポス一人だ」タラカーンはニヤけた表情を浮かべて言った。「このままのうのうとパーティーを抜けさせてたまるか」


「そんな事、出来るんですか?」パウークはムナガノーシカが剥いだ爪を拾い集めながら訊いた。


「パーティーからの依頼とその参加者を明記するという決まりはギルド自体が決めた事だ」タラカーンは腹を抱えて笑だした。


「確かにここのギルドは規約が明確な分、抜け穴も多い。こんな悪知恵を働く奴は想定外だろうが」ムナガノーシカは再びモンスターの皮を剥ぐ作業に移る。


「仕方ないわね」ズミヤは近くにいた土鳩をテイムしてその足に依頼内容を明記した紙片を括り付けた。「さあギルドまで飛んでこの紙片を届けるのよ!」


「アポスさんが依頼を受けない場合はどうするんですか?」パウークは思いつきを口にする。


「それについては私も知っている。キャンセル料は報酬の料金に比例して高くなるのよ。つまりクエストを受けてもキャンセルしても地獄ってわけ」ズミヤは訳知り顔でパウークに講釈を垂れた。


「はえー」パウークは笑い転げるタラカーンを尻目に興味なさげに呟いた。


「まあこの後俺だけ素材を換金しにギルドへ行くからその時に確認してやるよ」ムナガノーシカは素材をまとめつつ言った。




もし今後の展開が気になる

もっとキャラ達の冒険が見たい

と思ったら


下にある☆☆☆☆☆から作品への応援をお願いします!


面白かったら☆5つ

つまらなかったら☆1つ

正直に感じたままで結構です!


そしてもし気に入っていただけましたらブックマークをしていただけると嬉しいです!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ