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なんだそのオッパイは



「つまり、そのオバケは無害なのね」と肩で息を切らせたザイカは言った。


「人に見えない僕の友達と思ってくれていいかな」


『へえ、友達なんだ』


「なんで私の全力について来れるのよ。能力は低いけれど体力だけは一番だったのに」


「まあねえ」僕はつい面倒になって二人同時になるよう答えた。 


『感じ悪い!』

「感じ悪い!」


 何故か同調して二人は答えた。まるで姉妹みたいに。

 その後、なんとか二人を取りなしてギルドに着いた。

 僕を見つけた受付のサヴァーは心配そうに開口一番に言った。


「何があったの? タラカーンからの伝信でアポス一人でのクエスト依頼があったわよ」

「僕はタラカーンパーティーから首を言い渡された。その依頼は無効だよ」


 そう言いつつもタラカーンの捨て台詞を思い出して早速お礼参りが来たと合点がいった。

 クエスト依頼を反故にするにはキャンセル料が必要になる。ものによっては高額になる。そして未だタラカーンパーティーに在籍している事になっている僕はかなり複雑な立場にある。


「規約によるとキャンセル料を払わないといけない事になっているわ。しかも名義はアポスに‥‥。今回はしかも高額クエスト。報酬も多いからキャンセル料金も同じくらい。でも誰も受けたがらないドラゴン討伐クエストよ」


 僕は頭を抱えた。なるほど嫌がらせの極地だ。ザイカとコーシカが心配そうに僕を眺めている。


「すまない。とりあえずタラカーンパーティーからの除籍とパーティー申請の依頼を頼む」


「それは勿論だけれど、パーティー申請にも初期費用が掛かる。大丈夫なの?」


 サヴァーはいつも僕の味方をしてくれる。何も解決はしていないけれど僕の顔に笑顔が戻る。


「そんなの簡単じゃない! ドラゴンを倒せばいいのよ! そうすれば報酬も貰えるしパーティー申請も出来るし!」


「いや、流石に僕一人でドラゴン退治なんて」


「私もそのパーティーに入る! ていうか仲間じゃないの、私とアポスは!」


「良いのか? 僕なんかが仲間で」


「『なんか』なんて言うな!」ザイカはその小さな拳で僕のお腹を軽く殴った。「アポスは私の」


「私の?」身を屈めたサヴァーがまるで子供と話すようにザイカに問いかける。


「何だそのおっぱいは!」ザイカはサヴァーの服から溢れる胸に平手打ちして叫んだ!


「痛い!」


「なんてことを!」僕はすかさずザイカの両腕を羽交締めにしてサヴァーに謝った。


「すまない。手の付けられない乱暴者なんだ」


「別に良いよ。その代わり今度奢ってね」サヴァーはそう言って僕の申請を文書化する為に受付に戻った。


『凄い、被害者を装ってデートの約束までこぎつけた』コーシカは目を丸くしてサヴァーを眺めている。『あれが大人の女ってやつね!』


『何の話だ』内心冷や汗を掻きつつ僕はコーシカに答えた。


「放して」ザイカは低い声で呟く。


「ああ、すまない」


 ザイカは目を逸らしつつ訊いてきた。

「依頼を受ければお金が入るの?」


「成功すればね」


「今は貰えないの?」


「成功報酬だからなあ」


「うう」ザイカは腹を抱えてうずくまる。


「どうした?」僕はザイカの背中をさすりつつ訊いた。


「腹が減って死にそう‥‥」



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