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純粋な腐肉

作者: 黒実 音子

熱帯の夜の・・

タロイモに集る蠅。

清水を泳ぐセルカリア。

空を舞うマラリア。

無慈悲に殺され、

誰にも知られる事なく死ぬ

肉達の沸点。


神の密儀は・・

ナマズの密葬。

断末魔の無い死。

無人の笑い。

によって始まる。


大昔に死んだ

三軒先の家の者の言葉が

永遠に靉靆の霊達の秘密となり、

夜の濃度に混ざり合っている。


ここに来るな!!

ここはお前達の家ではない。

ここには悲しみも、

教会の灯りも、

物語と呼べるものも

まだ何も無いのだから。


言葉ではない囁きは聴こえ、

命の無い笑い顔はあるが、

それは腫瘍や、

夜の渦潮(プサラ・アイア)と似た存在で、

お前達に心地良いものではない。


熱帯の夜の・・

美しさを汚してはならない。


無の中に置かれた

純粋な腐肉を

冒涜してはならない。

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