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与太郎は夜に鳴く  作者: 七星北斗
1/1

1.オオルリは鳴く

 突然ではあるが、俺にはお金が必要だ。


 それは莫大な金額であり、時間もあまりない。


 早く大人になれればなと思う。


 そうすれば、もっとお金を稼げるのに。


 今出来ることといったら、バイトを増やすかしかないよな。


 眠いし、コンビニで炭酸珈琲ミルクでも買うか。


 そう思ってコンビニの店内に入る。しかし驚いたことにエアコンの故障中。


 強風の扇風機が回っていたが、夏場のムシムシした夜に生温い風など、寧ろ気分が悪くなる。


「暑い」


 つい言葉が口から漏れてしまった。


「すいません。エアコン故障中なんですよ」


 店員は、申し訳なさそうな謝罪の言葉告げる。


 謝らせてしまったようで、逆に申し訳なく感じる。店員に軽く会釈をして、追加でおにぎりを買う。


 せっかくコンビニに来たんだし、求人情報が載っている雑誌の立ち読みをするか。


 ペラペラとページをめくり、溜め息をつく。何故ならば、どれも十八歳以上の求人だ。


 ん、なんだこれ。


 最後のページにキューアールコードがあった。


【急募】


「年齢や資格、経験問わず。短期間で高収入、詳しくはキューアールコードから」


 気になるけど、怪しいな。


 ……ええーい、背に腹はかえられん。スマホの機能でキューアールコードを読み取る。


「応募が完了しました」


 突然、音声案内のような機械的な声が流れて、画面が切り替わる。


 はっ!?


 そこには、黒い背景とゲーム予定時刻が表示された。


 ゲーム開始時間まで、二十三時五十九分五十九秒……五十八…五十七。


 ゲーム!何かの悪戯か?


 知らない間に、スマホを乗っ取られたのだろうか?


 時間は刻一刻と減っていく。


【メール機能が解放されました】


 画面の右下にあるメニューを開いた。ポストのアイコンが追加されていた。


「管理人からの新人さんへのアドバイス。ゲームが始まる前に、まずはヘルプを確認した方がいいよ」


【ヘルプ機能が解放されました】


 確認すると、先ほどはなかったヘルプ機能が追加されている。


【最初のゲームタイトルは、


「七人の執行人から逃れよ」


 ゲーム開始から七日間、一日毎に一人ずつ執行人があなたを殺しにきます。


 七日間生き残ることが出来れば、


 賞金三百万円を支払います。


 まずは、準備金の五十万円を、


 あなたの銀行の口座に入金致しました。


 手段は問いません。


 生き残って下さい。


 それが、このゲームを盛り上げることに繋がります。


 ゲームの途中退場、リタイアは認めることはできません。


 あなたのご活躍を期待しております】


 殺される?


 冗談にしては質が悪い。


 一度家に帰り、銀行の残高を確認するため、コンビニへ足を運ぶことにしよう。

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