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乳児期3

玄関の方が騒がしい。


すると、部屋の扉が空いた。


「レーンー!とーさまだよー!わかるかなー?わかるかなー?」


20代後半くらい細身で茶色のハネっ毛が印象的な、優しそうな人が近寄ってくる。


どうやら、父親のようだ。


しかし、今までどこで何をしていたのだろう?


答えは、直ぐに本人から聞くことができた。


「ごめんねー。10ヶ月も経ってしまって、寂しかったねー。ごめんねー。」


後ろで、20代半ばのモデル体型で金色の髪をした少しおっとりとした顔の母親が会話に参加する。


「あなたっ!遅いわよっ。なんで王都に行って帰ってくるのに10ヶ月もかかるのよっ。レンが、レンが‥‥可哀想と思わないの?」


僕と母を交互に見ながらオロオロしている父、恐る恐る口を開く。


「何度も手紙も送っただろ?遅くなってすまなかった。」


母がため息をつきながら、父に話しかける。


「王都まで2ヶ月、滞在が1ヶ月、帰りも2ヶ月、残りの5ヶ月は何をしてたのかしら?まさか、どこかの娘をたぶらかしたり‥」


父が間髪入れずに


「違う!そんな事はしていないよ!レンに誓ってしていない!」


母が疑わしい目で父を見ている。


「王都近郊でダンジョンが発生したらしく、強制的に探索指令が王から勅命されたんだよ!手紙で書いただろ?」


母が疑わしい目で、まだ父のことを見ている。


「貴方なら、数日で踏破できるぢゃないっ!」


父が間髪入れずに


「若手の兵士や、上級貴族のご子息の育成も頼まれたから踏破に時間が掛かってしまったんだよっ!手紙を見てないのかい?」


母が疑わしい目と指を1本立てている。

あー、1ヶ月って意味か‥‥


父よ、残りの4ヶ月は、どう乗り切るんだ!


「帰りに商人の馬車が魔物に襲われていて助けていました‥」


母が、ジッーと父を見ている。


「お礼と言われて‥寄る予定の無い町で‥領主に見つかって‥近くに出没する亜種系のモンスターを‥そしたら雪が降り始めて‥」


しどろもどろだ‥軽い修羅場だ‥ドラマを見ているみたいだ‥

父!頑張れ!良いことをしたんだろ?天災なら仕方ないだろ?


母が口を開く


「それで、何人ですか?」


「2人です‥助けた商人の娘さんと、見つかった領主の親戚の娘さん‥でも、ちゃんと丁重に断りましたっ!」


母がため息をついている。


あー、愛人的なやつか‥


父‥たしかにカッコいいわ。


「僕は、サーラ。君だけを愛しているからね。」


「ジーク‥」


満更でもないな、母。


バカっプルか?

今、父と母の名前が判明した。

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