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ウチの魔王様が、すみません!  作者: ホマージュ
第一章 王国は割と元気
6/30

第六話 輝くのはポーラスター

五ヶ月ぶりの更新ですな。

年末までにもう一回更新したいな。と思ってます。

あとアリシアさんも年内にもう一度。


こっちのは漫画で書こうかな、と思い始めておりますが

そっちの方が時間がかかりそうなきもするんです

「おい」


重い瞼を薄く開けてみればマオが馬乗りになって襟を左右に振り回す。




朝から胸ぐらを捕まれゆさゆさと揺さぶられる。

気分が悪い。

「マオ、何々。しんどい」

「聞いて驚け!」


「朝に弱いマオが起きていることに驚きだよ。」

「違う!まずは聞け!」

ぐいっと胸ぐらを引き寄せられる

(苦しい…)


「なんと!仕事がなくて不甲斐ない明日葉にガッポリの話を聞かせてやるのじゃ!」

「いや、今仕事してるじゃん」

「え?」

「いやいやいや、行商って。コレ、仕事だよ」

「そうなのか?また好きに食ってもよいのか?」

「好きに…じゃないけど。普通に食べるくらいなら、まぁ。」


そうかそうか、と頷き満足そうにするマオに

ガッポリの話とはどんな儲け話なのだろうか。

あんなに胸を張って自信を持つのだ、聞くだけ聞いても悪くないかもしれない。


「マオ。それでガッポリの話って?自分で考えたのか?」

「隣の部屋にいた奴らの声が聞こえただけじゃが。いや、別に仕事あるなら大丈夫じゃな。」

「でももし、マオのガッポリの話というのがちゃんと旨い話であれば、どうせ帰る前に少し長居しても気にならないだろう。」


「なんとな、せっとうというのをやればガッポリで遊び放題らしいのじゃ!」

「…せっとう?」

「うむ、確かにそう言うておったわ」


「それはだめだ、」

「何故じゃ?ガッポリなのだろ?」

「ガッポリかもしれないが、犯罪だ」

「?」


「あのな、マオ。せっとうと言うのは他人の物を奪い取る事なんだよ。悪いことだ」

「そんなのは奪われる方が悪いのじゃ」

「奪われた人はどうするの?」

「もっと弱いやつから奪う?」

「そしたらそのもっと弱いやつは?」

「もっともっと弱いやつから…」

「一番弱い奴はどうするの?」

「弱肉強食!わしは強いから関係ない!」


「…それは、マオもこないだの王国のゴロツキと同じになるってこと?」

「そいつらとは違う!わしは強い。」


胸を張るマオの肩に手を置き目を合わせる。

「同じだよ。…マオも、俺から何か奪ったりするの?」

「そんなことはせん!!ワシは…」

「俺はあいつらとは仲良くできない、マオもあいつらゴロツキと同じか?」

「ち、違う!あやつらは明日葉を苛める!ワシは明日葉を苛めん!」

「…どうして?」


「それは……」

口ごもり、止まってしまう

そんな中場違いな音が辺りを圧巻する。


ぐ、ぎゅるる~……


マオの腹の虫が限界を迎えたようだ。


「メシ行くか!」

「お、おう」





先程からチラチラと此方の様子を伺いつつ、スープをスプーンで口に何度も運ぶ。

普段なら

「まどろっこしいわ!」と器に口をつけてごくごくと豪快に飲み干すのに…


「マオ、」

「な、なんじゃ!」

一言声を掛けてやればわかりやすくビクッと背筋を伸ばして答える。

「ほっぺ、付いてるぞ」

人差し指で自分の顎を触る


「別にいつも通りじゃっ……」

そう言いながらマオはしっかりと自分の顎に触れる。


「頬だってば」

この一言で我に返り、顔を真っ赤にする。


「ーーっ、き、今日は腹が空いておらん!」

急に立ち上がったかと思えば、腹の虫を鳴らしていたのは何処の誰だったのか…

マオはそのまま出ていってしまった。


ロクに手のつけられていないパンとスープを見つめ

「…ちょっと、いじめすぎたかな」

なんて呟いてしまう。

しかし、教育には自分で考えさせるのが大切だろうし…。


は?


いかんいかん。

何故か保護者のようになっていた。

あくまでも、勇者と魔王の対立関係であることを忘れてはならない。






◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




全くもって腹立たしい!

明日葉の奴はなんであんなに難しい事を言ってくるのか。

『同じだよ。…マオも、俺から何か奪ったりするの?』

絶対にしない!

そりゃぁ、ご飯とかは貰うけど

明日葉が本気で嫌がる事はしたくない…


胸がモヤモヤする。

ムカムカしてくる、どうして?と理由を聞かれたが言葉に出来なかった。



……


………ん


無理だ、考えれば考えるほどムカムカしてモヤモヤして明日葉を土突きたくなる。


「わからん!」



よくわからずに考え事をしていたら、


「ここはどこじゃ?」


知らぬ土地に来ていた。

周りを見渡せば狭い路地にいるのがわかる。

建物同士の間に紐が繋がれ、

洗濯物が風になびく。



路地に吹き抜ける風の音と共に腹の虫が鳴り響く。

腹も空いているし、

「戻るかの…」

一瞬、明日葉の顔が頭によぎる。


「…今、すぐは帰れぬ。」

やっぱりだめだ

今帰れば多分また悲しい顔をさせてしまいそうだ。


「…いやじゃなぁ」

また、ふざけあって笑っていたいのに、

あの時の明日葉の悲しそうな顔を見てとっさに言葉がでなくなった。



「おい!」

ふいに掛けられた声。


「なんじゃ。ガキか」

小さな木剣を片手に3人のガキんちょがオラついている。

「ガキじゃねー、ここらは俺らファイナルデッドリーエンジェルズの縄張りだ!よそもんはでていけ!!」

「そーだそーだ」

「やめようよ、迷子だよー…」

やんちゃなクソガキの後ろで煽るデブ。

オラついてるガキに隠れワシを迷子扱いするメスガキ。


「ほぉぉ。いい度胸じゃのぅ。ガキの分際で…」

ちょうどいいところにストレス発散のサンドバッグがやって来てくれた。





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「くっそぉ。アイツ…ズルしやがった…」

涙目で愚痴るのは哲夫だ。

近所では有名な悪ガキで、

人の家の洗濯物を落として行ったり、

ゴミ箱をひっくり返したり、と

手のつけられない上に狂暴だ。

暴れたときなんかは大の大人が3人で抑えなきゃ収まらない。


そんな哲夫が自慢の木剣をへし折られ、たんこぶをつくっている。

「てっちゃん、いてぇよー。」

ベソをかきながら哲夫の後についてくるのはジロウだ。

そんな二人の前に出て心配そうにオロオロしているのはアリサだ。

いつも哲夫の後ろについて、無茶をしないようにみているのだが、制御はまるで出来ていない。

「だからやめようって言ったのにー」


その言葉にカチンときたのか哲夫は怒鳴る


「その言い方!アリサお前、まさか俺がやられるって思ってたのか!? あんなチビに!!」


「そうじゃないけど…」

なんだか口をモゴモゴさせるアリサに、

「てっちゃん、いてぇよー。」

再び痛みを訴えるジロウ。

「でも、俺はやられたけどな!」

それをスルーしながら自虐に走る哲夫。

「でもでもてっちゃん、強いよ!」

慌ててフォローするが、

「てっちゃん?痛いんだけど」

まだ痛みを訴えるジロウ

「でもアイツの方が強かった!俺は戦士になる男なのに…!!」

ジロウをスルーし、悔しがる哲夫。

「不思議だねぇ…」

もうフォローもせずに首を傾げるアリサ。

「ねぇ!てっちゃん!」

ジロウは少し離れた方向を指差す。

「普通、木の剣でも掌で止めようとしたら刺さるぞ!普通!!」

無惨にもへし折られた木剣は自分達で3日ほどかけて削って作った自信作だったのだ。

本気で突き刺すつもりはなかったとしても

それを掌で止められ、折られたのだ。

まるで岩を木剣で突いたかのような硬い感触。

全くびくともする気配が無い。

「脆くなってたのかなぁ…」

…いや、それでもあの感触はありえない。


「てっちゃん、てっちゃん!」

先程からジロウがとてもうるさい。

「ジロウ、うるさいぞ!なんだ、さっきから」

ジロウが指を差した先には藁や割れた板、

ガラス瓶等が散乱している。

そんなガラクタの上に胡座をかいて座る一人の見知らぬ少年。

その姿をみるや哲夫の怒りはピークに達した


「おい!俺らの秘密基地を壊したのはお前か!!」

3人で時間をかけ、共に作った秘密基地は既に元の面影を何一つ残していない。


「秘密基地?あぁ、このゴミ山のことか?」


あぁ、なんなんだ。今日は。

気に入らないヤツが一日で二人も…


「なんか子供なのに大人も負かしちゃうっていう哲夫ってガキを探しててー…ここによくいるって聞いたんだけど、知ってる?」


あいつ、対して歳も変わんねぇのに、ムカつくなぁ…

俺になんの用だ。


「俺が哲夫だ、何の用だ。バカヤロウ」


「口悪いなー。なぁ、魔王とか、勇者とかって知ってる?」

飄々と薄ら笑いを浮かべる少年。

何を言っているんだ、そんなもんおとぎ話の中だけだ。


「今、虫の居所が悪いんだ。殴られても文句言うなよ?バカヤロウ」

ここらじゃ見ない顔だ。

おおかた旅の商人か何かの子供だろうか。

…関係ない。

ムカつくやつは殴るだけだ。



輝け~ポーラスター

私の~ポーラスター

教えて私の~…


懐かしいです。

題名は何となくです。

そういえば「ウチの使い魔がすみません!」という漫画があるようです。

え。被ってる!

と思ったので題名今また考えております。

元の「すみません、ウチの魔王様が」に戻そうか変えようか…悩みますわ

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