自然の美しさ
夕食後。
宿の前で私服でみな集合していた。
ただし、武器を全員持参して。
うーん、本当に何が起きるんだろう、、。
「では先頭のペアからだ。順に一定間隔でスタートしていく。」
先頭はシュナイダーとマオだ。
二人ともそれぞれの武器、自動小銃と三節棍をしっかり握りしめている。
「じゃいってくるヨ、、」
「前進あるのみである」
緊張しまくっている、大丈夫かな、、?
「緊張してる?」
「はい、少し、、」
「そうだよね、星の数を数えながらいけばあっという間に終わるよ、たぶん」
今夜は素晴らしい星空だ。月だけじゃなく、こんなに星ってあるんだな。灯りがなくても十分明るい。
「足元には気を付けないとですけどね、ふふふ」
アカリが微笑む。
緊張がお互いすこしほどけたみたいだ。
「次のペア!」
「僕たちだね、行こう。」
「はい」
高台を目指し進んでいく。
勾配はあるけど、ただの一本道だ。
足元が木の根や石ころばかりで歩きづらい、初日の行きに通った時はそんなことなかったのに、視覚が奪われるとこうなるのか。
「大丈夫?」
「大丈夫です、気を付けないとですね」
なんていってるうちに高台まで着く。
言葉にならない美しさとはこのことだろう
自然が作り出す夜の美しさ、月、星、闇の海に照らされた光たち。
その全てがこの幻想的な光を作り出していた。
「キレイだね」
「はい」
それ以上言葉はいらなかった。
いつまでも見ていたい、普通ならロマンチックなシチュエーション。
でも僕たちの意識のスミには警戒心があった。
「、、っ」
「大丈夫?冷えてきたね?戻ろうか?」
「そうですね」
「はい」
アカリに手を差し伸べる。
足元がよく見えなくて危ないのと、このシチュエーションに当てられたのか少しカッコつけてしまったかな?と思っていたけど。
「、、ありがとうございます」
そっ、、と手を重ね、二人で帰路につく。
「またこんな綺麗な景色を見たいね?」
「そうですね」
「やっぱり女の子ならああゆうシチュエーションでの告白が憧れる?」
「そうですね、あまり派手だったり狙った感じのは遠慮したいですけど、さりげなくならいいかもしれないです」
「なるほどね、この景色をさりげなくって難しくない?」
「そうですね、どう考えても狙った感じになりますよね」
ふふふ、はははと笑いながら、雑談しながら二人で宿へ下っていく。
いつか最愛の人と見てみたいな、と憧れをもった二人きりの夜だった。
気付くと宿の前、スタート地点まで戻ってきていた。
あれ?なにもなかったけど??
なんだったの??
アカリと二人で顔を見合わせる。