ブひッ!!!
スキルを発動させると、高揚感が湧いてくる。
身体の芯から温かくなり、身体中に力が漲る感じがする。
「ハアアアァ、、」
深呼吸と共に意識を集中させ、腰を落とし、右手に力を貯めるイメージで構える。
正拳突きの型だ。
悪寒を感じたのか、ブッチャの表情が少し強張っている。
「く、、くそ、、こんな、、負けてたまるか!」
ブッチャが突進してくる。
僕はカウンターを合わせるためにタイミングをはかる。
一歩、二歩、、、ここだ!!
右手に集約された力を解き放つように思いっきりブッチャ目掛けて拳を振るい、その顔面をぶん殴る。
「ブ、ブひっ!!!!」
ブッチャが豚のような声を出して、その方向にいるギャラリーを巻き込んで30メートルくらい先まで吹っ飛んでいった。
「嘘だろ、、、」
自分でも僕は信じられなかった。
こんなパワーが出せるスキルだとは思わなかったし。地獄帰りなんて不吉な呼び名だから心配したけど、良かったかもしれない。
『どうだ?悪くないだろ?
ちなみにオレの力はあと2つある。感謝の気持ちを込めてリスク様と敬ってもいいんだぞ』
いや、それはどうなんだろ。
あれ?ふとした疑問をリスクに尋ねてみた。
「ねえ、、」