背中
どうやって逆転するのだろう、、?
いくらキャンベラがスキルを使っても流れはどう見ても五分五分。
しかも明らかにリゾートは全力じゃなく、まだまだ余力がある。
それに比べればヤマト、キャンベラは疲労とダメージが身体を支配しつつあるのがわかる。
「ははは!!」
早くなる鼓動に合わせるかのように思考と行動が加速していく。それを生かしてキャンベラが仕掛ける!
「キャンベラ!ダメだ!」
キャンベラがリゾートに突っ込んでいく。
たしかに速い。
だが乱暴に槍を振り回し、自分を見失っている。 『あれはバーサーカーだな、ただ闇雲に戦っても勝利を得られることはない』
見ればわかる。大振りの動きだから、リゾートは容易くかわしている。タン、タンっとステップを踏みながら、冷静に反撃の機会を伺っている。
そして時折、小さくカウンターを入れているのだ、これではキャンベラの方がいずれ不利になるのが目に見えている。
「まったくなってませんね、このままでは、、」
「ぐっ!まだまだあ!!」
明らかに劣勢になりつつある。
「大丈夫かな、、」
『さすがにあれだけの強者相手に勢いだけではな、、』
!!
「、、はあはあ」
キャンベラの動きが止まる!
まさかスタミナ切れか?足がガクガクと震えている。
当然、その瞬間をリゾートは逃がさない。
まだ動かないキャンベラ目掛けて襲い掛かる。
「まずは貴女からですか、では」
獲物を目の前にした獣のように、一気に仕留めるつもりだ!まずい!!
「、、ぃ、やっ、、!」
遅い来る恐怖から目をそらし、目をギュッと瞑る。
もうダメだ、やっぱりあたしはダメなんだ、、お姉ちゃん、ヤマトくんごめんね、、。
「、、?、、、!」
あれ?痛く、、ない?
キャンベラが目を開けるとそこには背中があった。
自分より小さな男の子、でも今だけは大きく見える、「男」の背中が。
「大丈夫か?」
「、、う、うん」
「言っただろう、僕たちはペアだ。
責任を取る、と。
武士に二言はない」
ドキリとした。
なんだろう、この感覚は、、?
温かいような落ち着かないような、、スキルを使った時とは違うドキドキとした鼓動に困惑する。
「立てるか?」
ヤマトの声にハッとした我に戻る。
「、、うん!」
守ってもらうだけなんてイヤだ、勝つんだ。
そう。彼と。
2人が戦闘継続の意思を感じたリゾートがバックステップで距離を取る。
「いいでしょう、諦めない姿勢、評価に値します。しかし、残念ながら時間のようです。
次の攻撃で仕舞いにしましょう」




