通例
死神の啓示!?
なにそれ!?!
神って1人じゃないの?!
ビックリしていると、周りがざわつき始める。
そりゃそうだよ、神官達もビックリしてるんだもの。
「うっほん!」
神官が咳払いして場を静める。
「え、えー、、神とは1人ではない。
あまり知られていないが、死神と神は表裏一体の存在なのだ。」
へー。死神って最近夢に出てきたあれかな?
神官が続ける。
「神と死神で天国と地獄を分けてそれぞれを管理してくださっているのだ。そして我々にスキルを与えるのは生者を司る神の仕事とされている。
しかし、稀に地獄帰りと呼ばれる死神からの啓示を受ける者もいるという、、私も見るのは初めてだが、、」
そうなんだ、地獄帰りって物騒な呼び名だなあ。
そして
「文献や言い伝えでは、地獄帰りのスキルは例外なく本人に何らかの不利益を与えるものと伝わっている、それがどれほどのものかは定かではないが、、」
と神官が言いづらそうに言葉を紡ぐ。
不利益、、なんだろ?
スキルを使うと何か悪いことが起きるのかな?
イマイチよくわからないや。
「なんだかよくわからないけど、教えてくださりありがとうございました」
僕はペコリとアタマを下げ、神官に礼を述べる。
「あ、あぁ、、君の今後の人生に幸があらんことを」
一通りの儀式が終わり、解散ムードが漂い始め皆がまばらに外の庭園に出始めた。
神社の外は庭園と公園のようになっており、緑が豊かで開けている。そして、そこでスキルを試しに発現させたりするのが通例となっているらしい。もちろん通例の中には腕試しという荒事も含まれるわけで、、、。
「おい、お前!
俺と腕試ししようぜ!!」
ほらきたよ。