啓示
「これより洗礼の儀式を執り行う」
神官の宣誓が終わると、神官の背後にある祭壇がまばゆき始める。
「おぉ、、、」
と回りから感嘆の声が聞こえる。
そしてまばゆきは天井から雪のようになり、各人に優しく降りそぞく。
この光によりスキルを授かると身体のどこかに必ず痣が発現する。そして痣の形や色で能力や系統などがわかり、自身の今後の人生の道標にもなるのだ。
「やった!オレは剣士だ!」
「まじかよ、商人なんて予想外だ」
「わたしは神官だわ」
「なんだよ、お笑い芸人って、、、」
悲喜こもごもの声が響く中、僕は自分の右手の痣を見る。
元々右手には生まれつきの痣があったのだが、
それが形を変えたのか、《赤い×》印の痣がくっきりと出ていた。
え?なにこれ?
スキルが罰って啓示だけど、、。
わからないことは聞いてみよう。
「神官様、僕のスキルってなんだかわかりますか?
こんな《赤い×》なんだけど、、」
すると神官はビックリして目を見開き大声で
「こ、これは!!」
と叫んだ。いや、そんな驚かなくても、、。
聞き付けた他の神官達が俺を取り囲む。
「これは、、」
「いや、まさか、、」
「しかし、、」
なんだろ、気になるから早く教えてよ。
最初に尋ねた神官が恐る恐る口を開く。
「それは神の啓示ではない
死神の啓示だ」