刺激と沈黙
〜教室〜
「いやあ、すごかったねぇ!
あんなに綺麗に決まるんだなんてビックリしたよぉ」
「そうだネ!
明らかにあれは狙ってた動きだったからネ!」
「しかし、あんな戦い方ではいくら命があっても足りんでしょうな」
「同意」
「むぅ、、」
「そうですわね、、」
「でっ、でも、、勝ちは勝ち、、ですよ?」
「たしかに見ててドキドキしました、、」
ケンとヤマトを除くSクラスのメンバーが教室に戻り総評していた。
皆、実力者ばかりだ。
ケンからすれば数段上の天才たちだ。
だが、そんな彼らが拙い技術のケンの戦いに目を奪われた。それは紛れもない事実だった。
拙いながらも奇しくも勝利を納めた、しかも相手はあのヤマト。
格上相手に偶然ではない勝利を目撃したのだ。
興奮するなという方が無理かもしれない。
それだけ強烈な刺激だったのだ。
彼らはまだ精神的に未熟、同時に柔軟な思考を持ち合わせている年頃。
最初は「地獄帰り」という呼び名に恐れていたが 、もしかしたら、という風に一部は好感し、一部は不安を感じていた。
そして「彼女」の胸中には、、、。
〜医務室〜
「「あっ」」
二人がハモってしまった。
ベッドのヤマトと、傷の手当てのために自分で向かったケン。
勝者と敗者の鉢合わせ。気まずいことこの上ない。
「え、えーと医務室の先生は?」
「今席を外している」
「そ、そう、、。ど、どうしようかな、、」
「そこに医療キットがあるよ、軽い傷だけでも早く処置したまえ」
「そ、そうだね」
ケンはどぎまぎしながら、ヤマトはクールに受け答えする。
カチャカチャ、、
沈黙の医務室にケンが自分で処置する音が響く。
幸い実習でのケガだ、学校から支給されている練習服に付与されている[軽減]のおかげで大ケガはない。大方は自分で処置できた。
「・・・」
「・・・」
沈黙が気まずい。
「あの、さ、、」




