初勝利
しない勇気か、、
初めて聞くけど、しっくりくる。
たしかに、さっきまでの僕はダメだったのかもしれない。
でもそれじゃダメなんだ、痛いのはキライだから。もっとキライなのは、逃げること。
負けず嫌いってわけじゃないと思うけど、逃げた、って思われるのも、自分がそうするのもみっともなくてイヤだ。そんなやつらを僕はたくさん見てきた。
意地っぱりといわれるかもしれない。
でもどんなことでも受け止める。
例え、辛くても。
その先に何かがあるはずだから。
そう、「憧れのあの人」が教えてくれた。
いつも信じてくれてるから。
あの人に恥じない自分でありたい。
だから、「自分に」負けたくない !
『いいぞ、相棒!
「逃げる」のと「諦める」のは違う。
やれることを「悔いなくやりきるかどうか」の違いだ。
お前にはその資質が間違いなくある!
さあオレ達のあがきを見せてやろう!!』
「うん、力を貸して!相棒!!」
〜ヤマト〜
なんだ?
立ち上がったと思ったら、雰囲気が少し変わったか?
諦めた様子がない、、まだなにかあるのか?
だが、[防人]を発動させたこの二天流天地の構えの前にはどんな攻撃も無力。
さあ、、どうくるつもりだ。
ヤツが動いた!また突っ込んでくる。
小癪な!
同じことの繰り返しか、、、止めをさしてやる!
ヤツの拳を右手の長刀でいなし、左の短刀で刺しにいく、、入った!
「・・・」
視界がぼやけ、少しずつ輪郭を捉え始める。
あれは天井、、?
、、!?!?
なんだ、何が起きた??
なぜ天を仰いでいる!
??後頭部とアゴに痛みがある、、意識が朦朧とするが鋭い痛みだ、、これは一体、、、??
たしかにヤツにトドメの一撃を与えたはず、なのに、、。
混乱しながら考えてるうちに、、ヤマトの意識は疲れと共にプツリと途切れた。
〜ケン〜
上手くいってよかったぁ、、。
『何言ってんだ、当然の結果だ』
安堵しているとリスクがドヤっと自信たっぷりに語りかけてくる。
『良かったな、相棒。
初勝利だ。』
「そっか、初勝利か、、。
うん、そうだね、、!」
ホッとした喜びと、初勝利という喜び、2つの喜びを小さなガッツポーズと共に噛み締める。
『見事な損切りだったぞ。』