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決着と涙

「フフフ、まだまだ参りますわよ!」


フランは構え直す。


アカリは注意を払いながら、同時に先程の攻撃の謎を懸命に考えていた。

スキル[舞踏]、どんな力を秘めているのか。


「シッ!!」

フランの鋭い突きがアカリを襲う。

そして突きは速度と回転速度を上げ、スキルを発動させる前までよりさらに速く連続で繰り出してくる。さながらそれは突きの弾幕だ。


「さあさあさあさあ!」


アカリは防戦一方、それどころか捌ききれず全身を少しずつ切り刻まれていく。


「アハハハハ!!!」

フランは歓喜した。

強敵とも言える相手と戦うことなくここまで来てしまった彼女には恋焦がれた時間でもあったからだ。強い同性との研鑽。武門の名家の令嬢という事情等いろいろ絡んだこともあり、機会が与えられなかったのだ。だからこそ、いまこの対峙は刺激的で蠱惑的とも言え、甘美な優越感と高揚感が全身を駆け巡っていた。


しかし、ふと頭をよぎるのは

「身分の差」

地方貴族とは伝統ある生粋の貴族ではなく、何かしらの武功などにより陛下から下賜されるいわば成り上がりの証明なのだ。実力の前には伝統や歴史、肩書きやメンツが意味を成さないと体現する存在とも言える。それをある意味認めているから地方貴族に強く当たるのだと気付いているものもいるが彼等は口出しや手助けはしない。

興味がないか、出来ないからだ。

それだけ潜在意識という闇の中の根は深い。


その思慮を払拭するようにフランがアカリに第2撃目をいれる。先程とは逆に今度は左側だ。

「さあ幕を引きましょう、、次でラストですわ!!!」



アカリは苦痛に顔を歪ませる。

致命傷ではないが、あの手数だ。

傷の数が多すぎる。

このままでは体力を消耗し、負けてしまうだろう。

それだけはイヤだ。

アカリには芯があった。

強く、太く、しかし柳のようにしなやかさをあわせ持つ心の芯が。

家族の願いや、「昔の誓い」、そのためにも負けるわけにはいかない、、!

だからこそ、普段の彼女ならしない決断をするにいたる。相手が何をしてきたかわからない、だが望みを託し、これなら「殺」れるという確信のもと、アカリがぐっとフランを睨むような、鬼気迫る表情になる。


「スキル[ ]、、発動!」



ギィィィン!!


それは刹那。

目にも止まらぬとはこの事かとギャラリーの意見が一致した。

フランのレイピアがアカリを捉えたかと思えば、刀身の真ん中付近からポッキリと折れ、フラン自身も袈裟斬りにされたのだ。


チン、、とアカリは納刀し、勝利を「確信」したからかフランにゆっくり向き直り一礼する。

安心して気が抜けたからか、足元がふらつき、目眩も少しする。

「まだ倒れちゃダメ、、でも勝てた、良かった、、」

安堵からいつ倒れてもおかしくなかったが、強くありたいと願う少女を意地がなんとか踏みとどまらせた。


そして、ふと頭を上げた視界の端に「彼」と学園長たちがこちらを見ていた。

あちらも決着したようだ。

「ほっ、、、良かった。」

少女は傷だらけの顔で優しく微笑んだ。



対照的に、床に切り伏せられた少女は静かに嗚咽とともに涙を流した。美しい金髪は乱れ、その表情の全ては窺い知れない。

「なぜなんですの、なんなんですの!?」

弱い自分への悔しさと、初めての楽しい時間のあっけない終わりにただただ涙するしかなかった。

ひとまずの決着です。

どうでしたでしょうか、なかなか難しいですね。


これから新しい展開になりますので、今後ともご愛読、ブックマークしていただけると嬉しいです。

よろしくお願いいたします。



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