剣舞と舞踏
「なぜなんですの、、なんなんですの!?」
少女から苦々しく吐かれた言葉。
少し時間は遡る。
アカリとフラン。
2人の女子が対峙する。
アカリの武器は太刀。
対するフランの武器はレイピア。
奇しくも剣と剣の戦い。
太刀は切断能力に優れ、レイピアは刺突能力に優れている。つまり剣の軌道は直線の動きと、前後の動き。ある意味対極にあるといってもいい。
そんな武器を交える2人は激しく剣撃を交わす。
フランのレイピアでひたすら突く、いわば手数勝負に対し、アカリは静かに裁きながら受け流している。
「くっ、、攻めきれませんわ」
「なんて手数、このままじゃ、、」
互いの技量を認めざるを得ない攻防。
ギャラリーたちはその攻防に「ほぅ、、」と溜め息をつくように見とれていた。
技量の高い美少女二人の激しい攻防、さながらそれは剣舞。
黒と金の揺れる髪が彩り、剣撃の音がBGMのように舞台を盛り上げていた。
ひとしきりの攻防が終わり、2人は一度距離をとる。
フッ、とフランは口許を緩め少し笑みを浮かべる
「やりますわね、正直感心しますわ。少しは認めてもよくってよ。」
アカリは賞賛の言葉に驚く。
「ありがとうございます。あなたもお強いですね。全然攻めきれなくて正直困りました」
紡ぐ言葉があまりに自然で自分でも驚いたが素直に答える。実際、手数では倍以上違うのだ、それだけチャンスが少ないとも言ってもいい。
どうしよう、、本当に決め手に欠けてる。
一撃一撃はこちらの方が威力では勝るけれどスピードが違いすぎる。レイピアのような刺突武器では「あの技」は使えないし、、。
「、、いいでしょう。」
フランが意を決したように声高らかに、
「私のスキルで、あなたを圧倒してさしあげますわ!」
、、、!!
空気が変わる。
肌を刺すような、今までよりさらに張りつめた空気に思わず、アカリは唾を飲む。
フランの表情も先程までのどこか斜に構えたようなものではなく、正面から相手を見据えた真剣な表情になり、そして。
「スキル[舞踏]発動!」
、、、っ!
フランの威圧感が一気に増す。
まるで別人、、いや、別人としか思えない存在感と威圧感。目の前にいる金髪の美少女が以前見かけた騎士団員のような、歴戦の戦士のように感じられる。アカリはその気配に気圧されないよう、丹田に力を入れ、どっしりと腰を落とす。
「ふふふ、いいんですの?
そんなに重心を落として」
?
アカリは何を言っているのかと思った次の瞬間、いきなり右斜め方向から剣撃を受ける!
「ぐっ、、あっ、、っ!!」
思わず後ろによろめき、すぐ構え直す。
「な、なにが起きたの、、?」
フランが何かをしたのは間違いない。
だが今の一瞬で何をしたのかがアカリには全くわからなかった。
「フフフ、まだまだ参りますわよ」




