お辞儀は90°
「決闘ですわ!」
いやいやいや、、、。
僕の放課後、初日から過密スケジュール過ぎるでしょ。
体力的にも自信ないよ。
なので
「ごめんなさい!!」
「ふぇっ!!!??」
僕は90°のお辞儀を全速力でかます。
我ながら完璧だ、謝罪の際には90°!
これは基本だ。
金髪ドリル、フランは想定外の速さとその姿勢に思わず間抜けな声をだす。
さすが貴族、咳払いをしすぐに平静を取り戻し
「な、なぜですの!?」
とすごい剣幕で聞いてくる。
正直に
「いや、、そこのアカリさんと先約が、、」
「、、あっ!」
アカリも言われるまで忘れていたのかすっとんきょうに声を出す。
「いや、誘ってきたの君なんだから忘れないでよ。」
「地方貴族と貴方が、、?
ああー、そうゆうことですの?
浅ましいですわねぇ、、」
ん?どゆこと?
「いいこと?貴方は騎士団から報奨が出される、いわば賞金首も同然。
そんな危険視される貴方を評価を騎士団に伝えれば、地方貴族だろうと報奨だけでなく、名が売れ多少の名誉も賜ることになりますわ。
そうなれば地方貴族としてはなかなかないチャンス。実家にも泊が付いて、いろ〜んなことが上手くいきますわよねぇ」
なるほど。
ってことは僕はそんな美味しいエサという目でも見られてるのか。何もしてないのに、この扱いは傷つくよ、、。
『注目されるのは良いことだぞ、ピンチはチャンスだ!』ポジティブだなあ、、、リスク、お前のせいなんだよ?
「はい、そうです、、。
、、す、すみません、、」
アカリが涙目で肯定する。
図星だったのか。
なんか貴族といっても苦労してるのかな?
実家がどんなんかわからないけど、少なくとも
何かしらの事情があるのはわかった。
だから最初の出会いの時におどおどしてたのかもしれない。
「そこでなにをしている!!」
やばい!先生だ!!
早く立ち去らねば!!
「行こう!」
僕はアカリの手を取り、全速力で彼女を連れてその場を離れた。
「ふぅ、、ふぅ、、」
あー、、どっと疲れた。
「ここまでくれば大丈夫だろう」
「あ、あの、、」
しまった!アカリの手を握ったままだ。
「ご、ごめん、、」
そう言ってすぐに手を離し、二、三歩後ずさりする。緊張してた疲れからなのか、手汗がすごい。
不快にさせちゃったかな、、。
「い、いえ、、」
微妙な空気が流れる。
グゥー、、、、
腹が鳴る。
そういえば、もう昼食の時間だ。食堂に向かわないと、、。
「あれ、食堂はどっちだろう?」
無我夢中で走ったし、把握しきれてない校内だから全くわからない。どうしよう?
「こっちですよ?」
アカリが指指して教えてくれる。
「え、なんでわかるの?」
「前に代表挨拶の打ち合わせで来て覚えたので」
なるほど。その1回で覚えたのか、地頭がいいんだな。うらやましい。
「じゃあ一緒に行こうか?
迷惑でなければ、だけど。」
「は、はい。
あと、お礼がまだでした。
助けていただいてありがとうございました。
えーと、、地獄帰り、、さん?」
「いや、気にしないで。
見てられなかっただけだから。
それに地獄帰りはやめて、、。
僕はケン・ウッド。よろしくね。
アカリ・ハイライトさん」
そう改めて自己紹介と挨拶を交わし、2人で食堂へ向かった。