入学式①
うぅ、、視線が痛い。
体育館に入ると生徒達が整然と着席していた。
緊張からかピンと張りつめた空気の中、時間ギリギリに入ってきたのだ。そりゃ刺すような視線になるよ。申し訳ない気持ちになりながら自分の座席を探す。
「えーっと、、、」
あった、前から3番目の列、の真ん中あたりだ。
登壇する人からバッチリ見える位置だ。
睡魔には気をつけないと、、。
すでに着席している生徒達に、すみませんと声を掛けながら自分の席に着席する。
ようやく一息ついたけど、やっぱり緊張してきたな。
「静粛に」
一言。
ただその一言で空気がさらに張り積める。
重い、、その場にいる生徒たちは沈黙だけが許されるその空気に支配された。
「それではこれより、王歴219年における第一学園の入学式を執り行う!」
白髪混じりで威厳のあるナイスミドルな中年男性が高らかに宣言する。
「では、学園長、お願いいたします」
そうして、ナイスミドルは学園長とすれ違い、後方にある自身の席についた。
学園長もナイスミドルな中年だけど、さっきの人と比べると全身から静かに威圧感が出ているというか締まっている感じがする。
学園長いわく、この学園は実力主義、しかし不正は許さず、正々堂々、品行方正に学園生活を過ごすようにとの事だった。
「以上」
学園長が締めくくり壇上には司会の先生だけが残り、式を進行する。
「それでは新入生代表挨拶に移ります。
新入生代表、アカリ・ハイライトさん、壇上へ。」
「はい、、!」
僕の前の方から力強い返事がする。
そして、丁寧に段を踏み締め、しかし見るものの視線を釘付けにし、壇上に上がる少女に僕は驚いた。
さっきのあの子だ。